第12話 化け物
エミリーは倒れていた。それも衰弱しきって………
「キイラ!早くエミリーを連れて外へ!」
「で、でもライジン先生は………」
「僕はいいですから、早く!」
「………わ、わかりました」
これでエミリーとキアラは安全だろう。問題は横にいるやつだが。
カチャ…… ドドン。
「ふふ。2人はもう行ったのか?」
「わかっていて見逃すとは余裕だな」
「当たり前だ。お前らごとき敵ではないからな」
その闇は形を変えた。それもエミリーそっくりに。
「お前……… 何者だ?」
「俺様か? まあそうだな。チャールズ家の闇とでも言っておこうか?」
「黒魔術………」
「ちっ……… 知ってやがんのかよ」
「やはりか………」
本で読んだ通り……… 邪悪な感じがする。いかにも黒魔術って感じだ。問題はエミリーの中にいたってことだが………
「お前の目的は何だ⁉︎ どうしてお前はエミリーの中にいる⁉︎」
「いちいちうるせえ奴だなぁ。答える気はねえし………まあ正体を知ってるお前には死んでもらおうか」
「え⁉︎ が、がっ………」
いきなり闇の刃が飛んできた。これはかなり………
「お、お前………! ど、どうしてエミリーの中に………?」
「しつけぇな〜 だが今の攻撃をくらって他人のことを考えれるとは大したもんだぜ。だが俺様の攻撃はこんなものじゃねえぜ?」
「っ………」
次々と飛んでくる闇の斬撃。当たったらひとたまりもない。
「ふん💢!ちょこまかと逃げやがって………」
「こ、これくらい………!」
そろそろ限界だ。けりをつけなければ。
「そ、そろそろ僕も本気を出しますよ?」
「できるものならやってみるがいい💢!」
まずは呪文の読唱。早く、正確に。そして魔法陣の展開。これも効率よく、正確に。そしてより強力に。
「雷の極魔法!
「なっ………!」
とてつもない光が闇を襲う。
「はぁ〜はぁ〜 やったのか?」
今ので相当体力をもっていかれてしまった。でもエミリーのため。こいつはここで倒さねば。
「はん💢うざってぇ光だな!」
「まだか………」
想像はしていたが……… やはり恐ろしい化け物だ。
「しかしその光……… お前。アーサーって名前か?」
異世界で依頼を受けてみたら……… 落第お嬢様の家庭教師⁉︎ GOD9999 @GOD9999
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