第2話 芽吹き

 まだ、何も知らない。

 

 人生の、水も甘いも、汚れも。



 まだ、限りなく白に近い、産毛に覆われてる様な生命


 それなのに、、、



 我慢が出来る、年齢でも無い。


 『それ』を人前でしたら、恥ずかしい事と言う事も知らない。


 寝しなに何か分からぬ『それ』をするとグッスリ眠れる。


 何かは分からない『それ』をしていると落ち着く。 




 目覚めるのが早過ぎた。


 真っ白な分、覚えてしまえば早かった。


 心地良い波に溺れるのも、早かった。


 まだ、幼い紅葉の様な手で、蕾を抑えさる。


 ストーブの熱に当てられて、紅くなる頬。

そして芽吹く。。。



 どんなに、叱られても、やめられない。

 何故、イケナイ事なのかも分からない。


 大好きな甘酸っぱい、イチゴのチョコレートを食べた様な幸福感が、蕾から全身に広がる。


 そして今日も、リビングで、硬直して快楽の波に飲まれてく。


『やめなさい!!』


 母の声が耳の、奥に響くがやめられない、止められない。



 快楽と言う言葉も知らない幼女なのに。




 まだ、熟れていない青い果実の一部が太陽に照らされ、一部だけが紅くなる様に、未熟で初心な、人間の一部だけが、熟れて蜜を垂らす・・・

不条理。



 悲劇の始まり



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

蜜を愛《め》しませ 秋桜 @20mika20

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ