SNSを通じて拡散する侵略的外来種

ベームズ

改めて

「ついにこの時が〜……キターーー‼︎‼︎」


「もう分かったから、はやく入って」


「うわー……って」

「ハロー、サプラーイズ……」


「どうしたの?カナメちゃん?」


「いや……なんでこいつが、アヤノがいるの?」




「ヤッホーカナメちゃん、潤に呼ばれて、一緒にお祝いしに来たアヤノだよ」

「ああ、僕が呼んだんだ。カナメちゃんとアヤノさん、仲良かっただろ?ビックリした?」


「ビックリも何も、いつのまに連絡取ってたの?スマホなんて触ってなかったでしょ?」

「ああ、それならこれだよ」

「……ツイッター?」


「そう‼︎潤君と私、相互フォローしてるの‼︎そして昨日、潤君がカナメちゃんのために誕生パーティー開くって呟いてたから私も一緒に準備することにして、招待してもらっちゃった‼︎」


「逆にツイッター上でしか連絡方法知らないから帰れなくなったこと伝えられなくて、ごめんねアヤノさん」


「もーそうだよ‼︎朝に呼ばれたのにまさか夕方まで待たされるとは思わなかったよ‼︎」


「……なんでだまってたの」


「ごめんごめん、じゃあこれからこういうこともあるだろうから連絡先教えてよ、ラインでいい?」

「うん、いいよ‼︎それに二人ともいないから、一人で勝手にパーティーの飾り付けしちゃったけどよかった?」

「よかったよかった、それは嬉しいよ‼︎ありがとう‼︎確かにすごいよ‼︎飾り付けも綺麗だし‼︎」


「でしょー?だって……」

「なんで黙ってたの‼︎アヤノ呼んだこと‼︎」


「えっ?何急に大声出して、ビックリした」


「そーだよー、潤君はカナメちゃんを驚かせようとして私も誘ってくれたんだから、それに私がこなかったらいまだに準備ができてない状態だったんだよ?誰かさんのせいで」

「ぐぅ……」



「そうだぞ‼︎僕だってこれだけの準備一人では難しかったんだから、アヤノさんには手伝い希望の連絡もらってどんなに助かったか」


「ぬぅ……」




「……だ、大体あなた達そこまで知り合いでもないでしょ?私を通してくらいしか会うこともないでしょうし?」


「いや?結構会うよ?アヤノさんも家事やるみたいだし、スーパーとかでよく」

「そうそう、献立とか相談したり、ねー?」

「ねー?」

「何だって!?」



「それで安心して準備を手伝ってもらうことにしたんだ」

「私も、普通なら男の子の家に一人で遊びに行くなんて親に反対されるところなんだけど、カナメちゃんの友達で、しかも普段からよく会って話をする中だって言ったらOK出たし」


「そうよ‼︎ならどうやってうちに入ってこれたのよ?今なんて誰もいないし、鍵かかってただろうし」


「いや普通に合鍵あるし」

「な……」


「いやー、アヤノさんが今度うちに夕飯作りに来てくれるって言うんで、いつも僕らより先に帰るみたいなこと教えてもらってたから台所使うならと渡したんだ」


「なんてこと……私の想像以上に私たち周辺の環境が侵略されている、これは大変よ」

「あはは‼︎じゃあアヤノさんが侵略者?カナメちゃんおもしろいことをいうね」



「そうだ、写真撮っていい?こんなに楽しそうなこと、SNSにアップしないと」


「ぜひぜひ‼︎いいよね?カナメちゃん」


「……この侵略者を排除せねば」


(はい拡散ー)

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