第60話
庭師見習い 初日
わたくしは、レナートさんと共に富豪や商家の家々が建ち並ぶ住宅街に来ています。
町娘が来そうな薄緑のワンピースを着まして、髪型をポニテールにしました。
ええ、これなら、たぶん、ちょっとした富豪のお嬢様に見えるんじゃないかしら?
これで、貴族の御令嬢には、見えないわよね?
「レネリーオ先輩。よろしくお願いします。」
「せ、先輩?それなら、リオで構いませんよ。ラートには、リオと愛称で呼ばれてるから。」
「リオ……分かりました。ふふ。新鮮ですね!
わたくしのことは、ルネッタですからルナとお呼びくださいませ!様付けはダメですよ?」
「よ、よろしくお願いします。ルナさん。」
ルナさん………呼び捨ては、さすがに、心情的に難しいのですか?
わたくし、身分は気にしませんから、呼び捨てでも大丈夫なのですけれど、仕方ありません。
「レナートさん………小声で失礼しますけれど、普段も、オリィで構いませんのよ?」
「………えっ?よ、宜しいのですか?オリィ様、よろしくお願い致します。」
「あら、ふふふ。そちらは、様付けなのね。」
「富豪の娘の格好を真似したのですか?とても似合っていますよ。」
「ありがとう。リラのおかげね。これ、実は、リラが用意して下さったのよ?ちなみに、今、リラは、貴方のお兄様とお話し中ね。」
ふふふ。リラったら、レインさんの事、本当に好いているのかもしれないわ。
再婚とはいえ、相手は、伯爵家の嫡男。でも、リラは、子爵家の令嬢な上に同い年ですもの。
姉のようなリラを、応援してみましょうか。
「あに………兄さんと?そういえば、兄さんは、リラさんを気にしていましたね。」
「ふふふ。実は、リラも気にしていました。」
たまには、息抜きが必要よね。だから、レインさんに、お願いをしてみました。
断られたらどうしましょう?と思ってました。ですが、すんなり了承をもらえました。
「あなたは、お兄様に再婚の相手が出来たら、どう思います?」
「私は、兄と姪が幸せになるなら構いません。リラさんなら、大丈夫でしょう。貴女の関係者なら、反対はしないでしょうし。」
「まあ!ふふ。ありがとうございます。もし、彼らに反対されそうな時は、わたくしに頼って下さらない?リラの後ろ盾になりますから。」
「ルナさん……はい、ありがとうございます。」
彼らに反対………リーム公爵家なら、伯爵嫡男と子爵令嬢の侍女が、再婚!?
ってなるでしょうけれど、頑張って下さいね。
レインさん。リラ。応援していますから。
庭師見習い公爵令嬢 ゆりあ @aoi48usausa
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