第59話
「あとは、ラート達に依頼するお客様と関わる時のための名前を考えていきましょう。」
「あら、レナートさん、本名じゃだめなの?」
オリヴィエって本名を名乗るつもりだったのだけれど………
一般国民の方は、わたくしが公爵令嬢だと知らないはずよ?名前は、知られているのかしら?
「噂好きなお方に本名を名乗ったら、たちまち貴族に広まってしまいますよ?」
「まあ!それは、いけないわ!分かりました。考えましょう。」
噂好き………確かに、貴族の方って噂好きよね。
もしも、もしも、広まってしまったら、お父様だけではなく、リーム公爵に叱られるわ!
リーム公爵は………本当に怒ると怖い方なのよ。
孫娘のように思われてはいるけれど、身内にも厳しいタイプよね。
「レナートさんは、なんて名乗っているの?」
「私は、レネリーオです。貴族ではないけど、それなりに貴族かもしれない曖昧な感じの庭師ということにしています。」
「レネリーオ………ふふ。レナートさんに似合う素敵なお名前ですね!」
「ありがとう。この名前は、自分で考えてみたペンネームみたいなものだから、嬉しいよ。」
ちょっと照れているレナートさん。あらまあ!
ふふ。珍しい表情を見せて下さいましたね。
「名前どうされますか?大富豪のお嬢様らしいイメージで考えていきましょう。」
「貴族と薄っすら繋がりがある富豪の令嬢だと思われるようにということ?わたくしの名は、何が良いのかしら?」
「オリィ………オリアーヌ………オリアーナ………オリエッタ………オフェリー?」
「まあ!ふふふ。考えて下さるの?ありがとうございます。レナートさん。」
「でも、近い名前だとバレてしまいますね。」
「あら!ええ。確かに、そうかもしれません。どうしましょう?」
この王国や周辺諸国によくありそうなお名前を考えて下さいましたが………
元の名前と似すぎですから、バレてしまうかもしれませんね。
「あ、オリヴィエ様。ルネッタという名前は、どうでしょう?」
「…………ルネッタ?まあ!素敵なお名前ね!
どこから、思い付きましたの?」
ルネッタは、あまりないお名前ですが、素敵なお名前でございますね!
レナートさんが考えて下さるなんて………本当にありがとうございます。レナートさん。
「貴女は、オリヴィエ様は、小さな月のように凛とした方だから、似合うと思いました。」
「レナートさん………ふふふ。とても嬉しいわ。ありがとうございます。」
「あっ!いえ、その……はい、本当に似合うと、そう思います………!」
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