夜に隠されて

夜に隠されて

外の空気に緊張感が増してきた

凛とした冷たさは痛くて、優しい

もう少しだけ生きようと励まされてるみたいだ

20代後半の私は

ことあるごとに結婚について意見をもらう

失恋から立ち直ろうとしていることも

胸が踊るような仕事に打ち込んでいることも

まるでないことみたいだ

心の痛みも、夜に吐き出す溜息も、無駄なのだろうか

私の気持ちは誰に気にかけられることもなく

ひっそりと夜の暗闇と隠れんぼしてる

いつまでも見つけてもらえない隠れんぼ

結婚していないと幸せじゃない

この歳で長く付き合っている人が居ないとへん

子どもはどうするの

今抱えている気持ちに丁寧に向き合うのはよくない？

寂しさを一人で抱えて　私はまた優しくなったよ

投げかけられる言葉に傷ついて

今まで以上に丁寧に言葉を紡ぐようになった

それでいいのだ　きっと大丈夫

冷たい風を頬で感じながら

夜に溶けていく

ひっそりと夜の中で燃えている