気持ちが沈み込むことがある、
自分がまるで何も手にしていないような気分だ。
そんなの思い上がりもいいところで、
私はそもそもなにも手にしてなどいないのだ。
でも一度こんな気持ちに入り込むと止められない。
自分を非難して、生い立ちを恨み、優しい友達にまでケチをつける。
私の欲望はなんてバカなんだろうと思う。
優しい人間でありたいと同じ脳味噌が思う。
手を眺める。生まれ持った二つの手。
手のひらには意味ありげにシワが刻まれ、
あとは指が10本付いている。
このヘンテコなものは意外と役立つもので、
頭を撫でたり涙を拭うことができる。
優しさを形にするのは簡単な気もしてくる。
しかし、いざこの手で心を救おうとすると、
文字を羅列するために動かすとどうもうまくいかなくなる。
脳が考えすぎてしまうんだろうか。
とりあえずバカで性格が悪いからこそ書けるものを探しながら優しい人間を目指そう。なんだこりゃ。