78 クズなご主人様に弄ばれる

「ニャンニャニャ~ン、ニャンニャニャ~ン♡」


 あたし、要石萌葱かなめいしもえぎ


 私立陽光学園の3年A組。


 ルックス抜群、運動神経も抜群、愛嬌も抜群。


 そんな風に三拍子が揃ったとてもキュートな女の子。


 そして、今日は大好きな、大好きな、あたしのご主人様に会いに行くの♡


「こーニャーン、お邪魔するのニャ~!」


「んっ、あっ、はっ!」


 一瞬、こーニャンがエロビデオを見ているのかと思ったけど、違った。


「おー、萌葱、来たか。ちょうど、桜子が昇った所だったよ」


 確かに、ベッドで横たわっているさくらニャンは、ビクン、ビクンと痙攣していた。


「あ、あら、萌葱、いらっしゃい」


「さくらニャン、気持ち良かった?」


「き、聞くまでもないでしょ……」


 さくらニャンは立ち上がろうとするけど、足腰がガクガク状態で全然立てない」


「無理をするな」


 そんなさくらニャンに、こーニャンが優しく寄り添って言う。


「も、もう、光一のせいなんだからね」


「けど、欲しがったのはお前だろ? もうすぐ、萌葱が来るから速攻でイカせてやったけど」


「速攻でイッちゃいました」


 何だ、このバカップルは。


「あたし、もう帰っても良いのニャン?」


「まあ、待て。その手土産を置いてからにしろ」


「最低なのニャン」


「冗談だ。ちょうど、桜子のおっぱいに揉み飽きていた所だから、萌葱のおっぱいを揉ませてくれ」


「はぁ? ぶっころ」


 さくらニャンがぎろりとこーニャンを睨む。


 まあ、いつものことだニャン。


「どうぞ、萌葱ちゃんのおっぱいです。ていうか、間近で見るとさくらニャンのおっぱい、マジですごっ。Jカップってこんなにすごいの?」


「そ、そうかしら?」


「ちょっと、あたしも揉んでも良い?」


「えっ? いや、今はちょっとダメ……」


「ニャハッ♡」


 モミモミ。


「うあああああああああああああああぁん!」


 さくらニャンが絶叫した。


「チーン」


 そして、お亡くなりになった。


「果てた所に追い打ちをかけるなんて、萌葱もやるなぁ」


「ありがと、こーニャンの影響でドSになっちゃったかな?」


「さ、最悪よ……」


 さくらニャンは相変わらず、ピクピクとしているのニャン。


「あ、プリン買って来たんだけど、食べる?」


「おう、サンキュー」


 あたしとこーニャンは先に二人で食べる。


「さくらニャン、美味しいよ?」


「よ、良かったわね……私はもう少ししたら、いただくわ」


「おい、萌葱。食べさせてやれよ」


「りょーかいニャン」


「いや、良いから。何でペットにペット扱いされなくちゃいけないの?」


「さくらニャンもこーニャンの影響を受けているのニャン。あたしのことをペットとか、基本的人権のそんちょうって言葉を知らない、バカなのかニャ?」


「あなたごときに言われたくないわよ、クソ猫」


 まだピクピクとしながら、さくらニャンは文句を言う。


「つんっ」


 だから、あたしが軽くそうしてやると、


「……チーン」


 またお亡くなりになった。


「あ、そうだ。もう一つ、お土産があるのニャン」


「お、何だ?」


 プリンを食べていたこーニャンが言う。


「ジャジャーン! これニャーンだ?」


「おっ、それはメイド服じゃないか。あれ、でも前に桜子に譲ったんじゃなかったか?」


「うん。だから、自分で新しく買ったのニャン♡」


「へぇ、ちょっと着て見せてよ」


「ニャン♡」


「じゃあ、ここで着替えて」


「ニャン♡」


「いやいや、お互いにちょっとは恥じらって、気を遣いなさいよ」


「今さら、そんな間柄じゃないだろ。それに、久しぶりに萌葱のボディーチェックもしたいしな」


「フフフ、さくらニャンには及ばないけど、あたしもおっぱいGカップになったんだよ」


「おっ、やるなぁ」


「それから、脚を見て」


「う~ん、さすがだなぁ。脚に関しては桜子より萌葱の方が上だ」


「ぶっ殺すわよ、浮気彼氏」


 ピンッ。


「……チーン」


「何てチョロい女だニャン」


「よし、萌葱。着替え終わったな」


「はいニャン♡」


「じゃあ、俺にご奉仕しろ」


「何をして欲しいのニャン?」


「じゃあ、手を揉んでくれ」


「かしこまりニャン♡」


 あたしはこーニャンの手に触れる。


「ふぅむ、これがこーニャンのゴッドハンド。この手で、数多の女を天国へと導いて来たと言う……」


「いやいや、桜子とお前くらいだよ」


「違うでしょ。他の女にもたまにちょっかいを出していたでしょ?」


「たまに、な。けど、浮気なんて一度もしたことないよ。俺の心はいつだって、桜子の物だからな」


「ふ、ふん。都合に良いことを言っちゃって」


 とか言いつつ、さくらニャンは嬉しそうだニャン。


「ねえねえ、こーニャン。もえニャンのことも想って欲しいのニャン」


「そうだな、お前は可愛いペットだし」


「ひどいのニャ~」


 そう言いつつ、あたしはこーニャンに甘える。


「よし、褒美に撫でてやろう」


「お願いしますニャン♡」


 それから、こーニャンは繊細な指のタッチであたしに触れる。


 それだけで、全身がゾクゾクとした。


 ありもしない尻尾までもが、ゾクゾクするようだった。


「ニャアアアアアアアアアアアァン!」


 あたしの声がこーニャンの部屋の壁に反響した。


「……ひ、久しぶりに味わったけど……これはマジで死ぬのニャン」


「そうでしょう? 私の気持ちが分かった?」


「ニャハ~……」


 あたしはベッドの上で仰向けになった。


「ふむ、二人の素晴らしい乳が、これ見よがしに俺を誘っているな」


「「えっ?」」


「じゃあ、休憩は終わりな」


 こーニャンはにやりと笑う。


 その後、あたしとさくらニャンは。


「「はにゃああああああああああああああああぁん!」」


 一緒に仲良く、鳴きましたとさ。







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