52 久しぶりに、いじめて?

 年が明けても、俺と桜子は相変わらず仲が良かった。


「あっ……んっ……」


 俺は自分の部屋で桜子とイチャついていた。


「はっ……光一のキス、すごい……」


「苦しかったか?」


「ううん、気持ち良い……」


「じゃあ、もっとしてあげるよ」


 俺は優しく桜子を抱き寄せると、またキスをした。


 彼女の黒髪は繊細でサラサラで、白肌は優しく扱わないと壊れてしまいそうだ。


 全体的に華奢だけど、しっかりと肉付きも良くて。


 特に、胸の辺りが。


「あっ……胸は……ダメ」


「また大きく育った?」


「バカ……光一がたくさん揉むからよ」


「ごめん。けど、桜子のおっぱいが好きだから」


「……じゃあ、好きなだけ揉んで?」


 言われた通り、俺は桜子の胸を揉みまくる。


 けれども、優しく、丁寧に。


「んっ……ねえ、光一」


「どうした?」


「その、最近の光一はとても優しくて素敵なんだけど……たまには苛めて欲しいかなって」


「何だよ、ドM宣言か?」


「ド、ドが付くほどじゃなわよ……ちょいMだもん」


「じゃあ、俺はちょいSになれば良いのか?」


「う、うん」


「とりあえず、軽くつねるか」


「あっ!」


「ごめん、ちょっと強かったか?」


「はぁ、はぁ……ううん、平気よ」


「じゃあ、もっと強くしても良いよな?」


「えっ、それは待って……んあああああぁん!」


「ただ腕をつねっているだけなのに、大きな声だな」


「だ、だって……」


「新年になっても、桜子はエロエロだな」


「こ、光一だって、クズ野郎だもん」


「言ったな?」


 俺は両手を構えると、背後から桜子を攻め立てる。


「あっ、ちょっと待って、そんな……んあっ!」


 物の数秒で、桜子は倒れた。


「チーン……」


「おい、早いな。俺はまだ満足していないぞ?」


「ちょ、ちょっと待って……」


 桜子は息を切らしながら言う。


「じゃあ、あと5秒で勝手に続きをするから」


「は? そ、そんなの……」


「5、4、3、2、1……はいっ」


「んあああああああああああぁん!」


「おい、桜子。今は親も出掛けて二人きりだからって、声が大きいぞ? ふしだらな女だな」


「はぁ、はぁ……やっぱり、Sな光一ってゾクゾクしちゃう」


「何だよ、興奮しているのか?」


「はい……」


「じゃあ、どうして欲しいんだ?」


「……も、もっとして」


「え? そんな頼み方なのか?」


「意地悪……も、もっと私を苛めて下さい……光一さん」


「良いよ」


 俺は桜子を横向きに寝かせた。


「えっ、何々?」


「たまには違った趣向も良いだろう」


 俺は桜子の側面をひたすらになぞった。


「な、何コレぇ!? か、体がビリビリって……痺れちゃう~……」


「おい、大丈夫か? 変な顔になっているぞ?」


「ハッ……バ、バカぁ~」


「嘘だよ、可愛い顔だ」


「ズキュン」


「この脇腹の辺りとか、良さそうだな」


「んああああぁん!」


「ほら、良い声で鳴いた」


「バ、バカぁ」


「もっと桜子の可愛い声を聞かせて?」


「じゃあ、もっと苛めれば?」


「言われなくても」


 あの情愛に満ちた二人きりの温泉旅行で、俺の才能は更に開花したようだ。


 もはや、あまりのことに、桜子も声を出す暇が無かったようだ。


 そのため、途中で両親や親戚が帰宅しても、エッチしていると悟られることは無かった。


「あら、桜子ちゃん。来ていたの?」


「お、お邪魔しています、お母さま」


「ねえ、光一。せっかくだから、親戚のみんなにも桜子ちゃんを紹介したら?」


「ああ、そうだな。将来、俺たちは結婚する訳だし」


「なっ」


「おいおい、何を驚いているんだよ。お前が言ったことだろう?」


「そ、そうだけど……もう無理」


 軽く意識を失った桜子を抱きかかえて、俺は部屋を出た。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る