35 ただ、下から眺める彼女のおっぱいを探求する

 休日。


 俺は桜子の家に遊びに来ていた。


「で、今日は何をするんだ?」


 呼ばれて来た俺は、まだ何をするのか聞かされていない。


「何もしないわ」


 桜子は言う。


「え? どういうこと?」


「何もしないで、休む日にしましょう」


「何でまた?」


「だって、最近のあなたは疲れているみたいだから」


「まあ、体育祭の一件でね……自業自得だから仕方ないけど」


「だ、だからね。彼女として、あなたを癒してあげたいなって……」


 俺は照れる桜子をまじまじと見つめてしまう。


「な、何よ?」


「いや、普通に可愛いなって」


「ズキュン!」


 桜子は胸を押さえて軽く呼吸を整える。


「光一、何も喋らないで。あなたの一言一言が、私の命を奪いかねない凶器だと思い知りなさい」


「好きだよ、桜子」


「ドズキュン!」


 桜子は先ほど以上に悶える。


「ハァハァ……こ、殺すわよ?」


「ごめん、からかうのはもうやめる」


「ぶっころ……ほら、ここに寝なさい」


 桜子はベッドの上で正座をして膝を叩く。


「お、また膝枕してくれるの?」


「嫌かしら?」


「いや、控えめに言って最高です」


「そう……」


 桜子は小さく顔を俯けて頬を赤らめる。


 俺はそんな彼女の膝枕に身を委ねた。


「……相変わらず、ムッチリした良い脚だな」


「この変態。よくも抜け抜けとそんなことが言えるわね」


「だって、お前は俺のモノだろ?」


「ズキュキュ……」


 ぐぬぬ、とでも言いたいのだろうか?」


「ちょっと寝ても良いか?」


「良いわよ。ただその間、あなたの命は保証しないけど」


「やっぱり起きています」


 すると、俺は目の前にある大きな二つの膨らみが気になる。


「しかし、デカいなぁ」


「黙りなさい、変態」


「確か、Iカップあるんだっけ?」


「しばらく計っていないから、もっと成長しているかも……」


「ワガママなおっぱいだな。持ち主に似て」


「刺すわよ?」


「ごめんなさい」


「全く、仕方のない男ね」


 ツンと顎を逸らせる桜子をじっと見つめながら、おもむろに胸に手を伸ばす。


「あっ!?」


 ツンと俺が触れただけで桜子は声を出す。


「ちょ、ちょっと……」


「せっかくだから、俺がお前のおっぱいの様子を見てやるよ」


「い、良いから、そんなの……」


「けど、こんな大きいのをぶら下げていたら疲れるだろ?」


「まあ、そうだけど……」


「よし、俺が下から支えてやろう。そうすれば、お前も休めるだろ?」


「全くもって気が休まらないのだけど」


「おー、重い重い。これ、軽く腕のトレーニングになるな」


 俺はイチニ、サンシ、と桜子の巨乳を持ち上げる。


「んっ、あっ!……や、やめなさい」


「へぇ~、こんなに柔らかいんだ。けど、ちゃんと弾力もあって。揉み心地が抜群だな」


「ふっ、あん……う、上手い……」


「え、何か言った?」


「い、言ってないわよ」


 桜子はそっぽを向く。


「じゃあ、遠慮なく揉むな」


「ちょっと待っ……あっ!」


 しかし、本当に素晴らしいおっぱいだ。


 ここまで来ると、興奮を超えて感動すら覚える。


 世の中にはさらに胸が大きい女性もいるだろうけど。


「桜子のおっぱいが最高だな。少なくとも、俺にとっては」


「ふぇ!?」


 桜子は素っ頓狂な声を出す。


「もっと揉んでも良いか? 何だか、お前のおっぱいをもっと探求したいんだ」


「う、嘘……いつもは濁った目をしている光一がこんなに目を輝かせて……クソ可愛い」


 桜子は言う。


「い、良いわよ。好きなだけ揉んで」


「ありがとう。じゃあ、ちょっと本気を出すな」


「へっ? ほ、本気って……」


「せーの……」


 俺は十本の指すべてに命を宿されるかのように、全く別々の動きをさせた。


「んああああぁ! ちょっ、何コレ……すごおおおおおおおおおおおおぃ!」


「ごめん、桜子。ちょっと静かにして欲しいな」


 今の俺はピアノの奏者も同然。


 繊細かつ大胆な演奏をするためには、静寂が必要なのだ。


「ご、ごめんなさい……けど、声が……」


「じゃあ、袖を噛んで」


「は、はい……」


 桜子は素直に従って袖を噛み締める。


「あ、なるほど。ここの部分に触れると、こんな風に反応するんだ。こっちはこうかな? うわぁ、すげえ~!」


「……っ……ぅ……ぁ」


 桜子は必死に声を押し殺しながらもピクピクとしている。


 そんな彼女を見て、これ以上は負担をかけられないと思った。


「じゃあ名残惜しいけど、最後の仕上げだよ」


 桜子は袖を噛んだ涙目のまま俺を見る。


 俺は優しく微笑みながら、桜子の胸の中心をピンポイントで押した。


 ちなみに、両方同時に。


 その時、彼女が発した声を、たぶん俺は一生忘れないだろう。


「…………チーン」


「おーい、桜子さん。大丈夫かい?」


「……も、もう無理」


 次のおっぱい探求まで、しばらくスパンを置く必要があると思った。







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