最高のお祭りって、なんだろう?

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最高のお祭りって、なんだろう?

最高のお祭りって、なんだろう?

あれこれと自由に思いつくまま、考えを巡らせてみたいと思う。


祭りといえば、最近、とある映画の影響でスウェーデンの夏至祭が「祝祭が始まる……」とかなんとか盛り上がっているようだ。なんでも、白夜の日の光を受けながら明るい歌とダンスに包まれて傷ついた女学生が夏至祭を通して癒やされるハートフルな映画のようで、きっと誰もが笑顔になれる素敵な物語に違いない。


スウェーデンと言えば、白夜の国。


冬は日照時間が六時間程度と日本人の労働時間にも満たない一方、夏の日照時間は十七時間以上、場所によっては日が沈まないまである。いや、「俺の勤務時間はスウェーデンの夏の日照時間に匹敵するぜ!」とか、哀しいブラック自慢はやめような?


夏至は最も日照時間の長い日。こういうお国柄だからこそ、お祭りになるのだろう。


ならば、太陽の下で繰り広げられるお祭りが、最高のお祭りなんだろうか? そうとは限らない。


日本で開催される大きなお祭りと言えば、やはり、夏と冬に東京ビッグサイトで開催されるお祭りだろう。


自分の好きを形にして、誰かと好きを共有する。コスプレなど一部屋外もあるが、基本は屋内。日の光など浴びずとも日陰だろうと、素晴らしいお祭りとして成立しているじゃないか。


うん、太陽は関係ないな。


インドア趣味には、そもそも太陽は刺激が強い。

そういえば、今日はひな祭りだった気もするが、関係ない。


祭は祀であり奉。本来は何かをタテマツルのである。

つまり、最高神を祭るのが最高の祭?


なるほど。


では、クトゥルフを祭ればよいのだろうか?

それとも、アザトース?

いや、ニャルラトホテプ?


どれが最高なんだろうか?


こういうものに想いを馳せてしまうと、正気度が下がりかねない。

ここは、SANチェックか。


D100を振ろう。

ファンブル。

SAN値ピンチ。


となれば、ニャルラトホテプを祭るべきか。


ニャルラトホテプをタテマツル。

狂おしい太鼓の連打と冒涜的なフルートの単調な調べでタテマツロウ。


しかし、ニャルラトホテプの上にアザトースがいるのではなかったか?

確かに、『邪聖剣ネクロマンサー』のラスボスはアザトースだった気がする。

やはり、アザトースをタテマツルべきか。


いや、邪神に関わってはいけない。

間違っても、立ち向かってはいけない。

探索者すぐ死ぬ。

技能を駆使して生きて帰らねばならぬ。


ふむ、いつのまにか『クトゥルフの呼び声』になっているな。

オハイオ・ジョーンズはどこへいった……


しかし待てよ。

TRPGであれば、物語の中でどんなお祭りだって再現できる。

気心の知れた仲間とでも、一期一会の老若男女初心者ベテラン敵味方問わず。

卓を囲んで生み出す祭。


それは、物語を奉る儀式といえよう。

そうか、私にとって最高の祭とは、TRPGだったのか。


いや、TRPGに限らない。


誰かと何かを共有して楽しむこと。

身構えず、結果的に何かを奉ること。


そういうのが、最高のお祭りなのかもしれない。

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