…2ノ月26ノ日…


…2ノ月26ノ日…

 村に来た行商人さん、名前はアムールって言うんだって。

 男の人で、背が高くて、行商人というより傭兵とか騎士とか、戦う人のソレに近い感じ。

 手を触らせてもらったけど、筋肉でカッチカチなの、カッチカチだよカッチカチ。


 この村はアムールさんみたいに山越えをする商人の人とか旅人とか、そんな人たちの休憩地としても良く使われる。

 泊める代わりにお金を貰ったり、もし必要なモノがあれば、ご飯とか道具とかを物々交換とかしてる。

 だから道具を作ったり、寒い場所だから薪を集めたり、力仕事が多くて、村の男の人達は皆大きな体をしてるんだけど、それと比べてもアムールさんは筋肉がすごい…。


 思い出すだけでヨダレが…。


 なんでも、一人で行商をしてると、危ない事もいっぱいあるから、それに対処できるように普段から体を鍛えてるんだって。

 人間の背丈の倍はある魔物とかを退治した事をあるとかで、なかなかに強いらしい。

 あの体付き見たら、納得モノだよ。


 ここに来る前は王都の方で生活してて、行商人になる前は騎士団の訓練とかにも参加してたって。

 その話を聞いたら、魔物退治の話がさらに納得いくものになった。


 すごくカッコいい。

 覚えてる限り、ここで休憩していく商人の人達は、皆自分が戦わずに傭兵とかを雇ってた。

 自分の商品は自分で守る、それができるアムールさんは尊敬できる。

 まだしばらく村にいるはずだから、どうして行商をするようになったのかとか、剣の稽古をしてもらうのもいいかも。

 私は女だし、周りからはやめろって言われるかもしれないけど、私はもう大人、いろんな事に挑戦して、自分がやりたい事を見つけていきたい。


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