第3話
チュウヤのダッシュも虚しくリックのタッチダウンが決まった。
「すまない」「気にするな。次は点を取るぞ」
勇太と宙也は声を掛け合いながらゲームを進めた。
「ゲームセット!」
競技場に男の声が響いた。
11-15で宙也達は負けた。準決勝での敗退だった。
体に受けた痛みと息を荒くしながらひざまずくチュウヤとブレイブに観客達は惜しみなく拍手と歓声を浴びせた。
「終わったな……」
ブースの中で宙也は呟いた。
宙也はこの大会で引退を決めていた。
「俺が足を引っ張ったみたいで悪かったな」
勇太が言うと、
「何を言うんだ。お互い様だろう。ここまで来られたんだ。お前なら次の大会で優勝できるよ」
宙也が笑って答えているとゴーグルにメッセージが届いた。
ジョニーとリックからのフレンド申請だった。
宙也はふっと微笑んでフレンド登録した。
「あいつらが優勝だろうな」
予想通りジョニーとリックのチームが優勝した。
このゲームではメダルを取れなかったものの最終的には日本とアメリカが同じ数の金メダルを獲得した。
大会が終わるとすぐに宙也は日本チームのVタッチダウンのコーチとなり次の世界大会に備えて選手達の指導を勤めた。
国際ゲーム大会 久徒をん @kutowon
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