失われた記憶
04.01 「たす……けて」
期末試験の結果が発表され、相変わらず
でも、なぜか
「まあ、これが僕の実力さ。思い知ったか猫女」
「思い知るのは僕より上に成ったときだと思うんだけどさ、何で猫な訳?」
「そんな事も知らないのか。“猫は傾城の生まれ変わり”と言うだろうが」
「益々解かんないんだけど……」
「……まあ、解らなくていい。失言だった」
もう、一緒に勉強しないからだよ。
10月には体育祭と会長選挙があり、評議委員もそれなりに忙しくなるんだけど、
会長選挙は
そんな感じで、いろんなことがあって一段落したのは11月になってから。12月早々に中間試験が控えてるから、束の間の休息って感じかな。だから今日は四人でカラオケに来ている。
「ちょっとトイレ行ってくるー」
そう言い残して部屋を出ると、うちの制服の男子と目が合う。ちょうど隣の部屋から出てきたみたいなんだけど。
「お前は……」
無視無視。いきなりお前とかちょっと失礼なんじゃないかな。
でも、トイレはその男子が出てきた部屋の先だ。気持ち悪いけどそっちに行かないともう漏れそうなんだよ。
バサッ
「
できるだけ遠くを歩いたつもりだったけど、急に近づいてきて抱きつかれた。口を塞がれて声にならない。しかも、そのまま部屋に連れ込もうとしてる。
「
ダメだ、この体は非力だ。抵抗虚しく連れ込まれ、ドアが閉められてしまった。
「これはこれは。誰かと思えばマイ・プリンセスじゃないか。僕を訪ねてきてくれたのかい?」
「
「そうかい、そうかい。そんなに感激してくれるのかい」
離しやがれっ、気色悪い。
「外で見張っててくれるかい?」
「後で俺にも回してくれよ」
そう言い残して一人がドアの外に立つ。
見張り?
回す?
「まあ、飽きたら回してやってもいいかな」
相手にされないからって力ずくでってか、流石にそんな事したら大問題になるだろ?
「んーっ!」
ブラウスに手が掛けられ、ボタンが弾け飛ぶ。
おいおい、冗談じゃないのかよ。もう十分強制猥褻だぞ、これ。
「ふうー、予想通りいい胸してるねえ。散々コケにしてくれて分、たっぷりと楽しませもらおうじゃないか。あいつとヤリまくってるんだろうけど、僕のが忘れられなくなっちゃうんじゃないかな?」
「うんうん、綺麗な足だよね」
「見ろよ、ケツもプリップリッだぜ。たまらねえなあ。さっさと脱がしちまおうぜ」
「慌てることはないさ。時間はたっぷり有る。じっくり甚振ってからでもいいんじゃないかな?」
ウザ男に胸を弄られ、取り巻きの奴らに太ももや尻を触られる。
気持ち悪くてたまらない。
これがウザ男の、
でも、このままだと僕は……
糞、嫌だ、絶対嫌だ。こんな奴らにヤられてたまるかっ。
「んっ!」
太ももを触ってた奴の手が段々上がってきてる。
「音量あげろ。外に漏れたらまずい」
誰も歌わない曲が大音量で流れ、足にベトッとして嫌な感触が。後ろからは股間を押し付けられ、左耳が噛まれる。
助けを、助けを呼ばないと……
「キャア」
ドカッ
「痛ってえ、糞アマ、噛みつきやがった」
背中が痛い。体に力が入らない……
「ううっ、たす……けて」
「ふーん、録音してたんだ。でも、残念だったね」
後々の証拠にと思って録画していたスマホが床に転げ落ち、ウザ男に踏みつけられる。
「おいおい、どうせなら盛大に塩でも吹いてくれよな。これじゃあ臭っせえだけだろうがよっ」
「ゴホッ」
ううっ、腹が……
「ダメだよ、楽しむ前に潰れたらどうするつもりなんだい?」
「そうだよ。おいらは気にしないよ。寧ろこれはこれでいいな。今綺麗にしてあげるからね、おいらの舌で。うへっ、うへへへへ」
「悪い、つい」
「罰として、君のを突っ込んでみるというのはどうだろう。僕のを喰い千切られたらたまらないからねえ」
「はあ? 俺のだったらいいってのか――」
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