03.22 閑話:「仕方ありません。いつものように2人で勉強しましょうか」
中間試験の結果を受けて、四人で一緒に勉強しようと約束していたのだが……
「いつの間にそのような関係になったのです?」
「台風の夜かな〜」
「強風で家が揺れて、電気も消えちゃってさあ。凄くドキドキしたんだ〜」
「それは吊橋効果というものなのでは?」
「吊橋だろうと鉄橋だろうとお互いの気持ちが確認出来れば何でもいいよねー、
「うん。そうだね、
この通り、
はあ。こんな事になるなら一緒に勉強を、なんて言わなければ良かった。
只のボディーガードか。判っていたことだけど、こうして現実を突きつけられると堪えるな、やっぱり。
学年主席と次席、しかも義姉弟でミス
当然、面白く思わない者も居るわけで……
「マイ・プリンセス。これはいったいどういうことだい?」
「うげっ、出たなウザ男っ」
うげって、警告なってたし、指摘もしてあげてたんだけどな。
「変な噂が流れているから来てみれば……、いや、僕の気を惹こうという涙ぐましい努力なのか。なーんだ、そんな必要は無いんだよ、マイ・プリンセス」
「何で此処に居ることが判っちゃったんだろう。ひょっとしてまた情報が漏れてるのかも。もう1回システムのチェックしないとかな」
まあ、システムとかじゃなくて、そんなにイチャイチャしてたら皆んな気付くし、他にもほら、噂のカップルを一目見ようと生徒が集まってるじゃないか……
「さあ、そんな演技は終いにして、僕と行こうじゃないか」
「行くわけないじゃん。頼むから消えてくれないかな、この世界から」
「照れなくてもいいんだって、マイ・プリンセス」
相変わらず理解し難い人だな、この人。
しかし、これでは勉強どころではないな。
「集中できそうにないので、場所を変えましょうか」
「いや、何処へ行っても状況は変わらないだろう。当分一緒に勉強するのは無理かもしれないね」
ギャラリーも追いかけてくるだろうし、何より、当の本人たちはずっとこんな感じなんだろうから。
「それもそうですわね。仕方ありません。いつものように二人で勉強しましょうか」
「そうだね、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます