04.02「彼女は助けを請わなかったのか?」
「今、声がしなかった?」
「私には聞こえなかったけど」
「私もよ?」
「ほら、また」
「気の所為かな。悲鳴が聞こえた気がしたんだけど」
「悲鳴というのは気になりますが、防犯カメラもついているみたいですし、大丈夫じゃないかしら?」
「確かにそうだね。変なこと言って済まない」
トイレに行くと言い残し、
「遅いね、
「あら、いろいろと詮索するのは宜しく無くてよ」
「あっ、うん」
もしかして、大っきい方?
でも、
さらに2曲歌ったけど、
ドカッ
隣の部屋だ。何か、いや誰かが壁にぶつかったんだろう。直前に女の子の悲鳴が聞こえた。あの声は……
「
「行こうっ」
「待って」
慌てて後を追った私と
「
そんな、それじゃ
「何だテメエはっ!」
「貴様ら……」
一瞬のことだったと思う。
中に入ると、4人の男子生徒が倒れていた。鼻が潰れたのか、ダラダラと鼻血を流しながら
「
「
「頼む、ほんの出来心だったんだ。あんたが強いのはわかったから、もういいんじゃないかな。反省してるよ、ほら、この通り」
「やめろ、こっちに来るな。助けてくれ」
「彼女は助けを請わなかったのか?」
「知らない、そいつが口を塞いでたんだ。女を投げ飛ばしたんもそいつだ。僕は何もしてない」
膝先をぶらりとさせている男を指差す
「彼女に何をした。どう裁くかはそれ次第だ」
「何もしてない。本当だ。信じて欲しい」
「ぐあーーーーーー、何をっ」
やはり、一瞬だった。何をしたのか判らなかったけど、左手首を押さえてのたうち回る
「その手で何をした。正直に言わなければ次は右手首だ」
「わかった、言う、言うから止めて――」
「何をした」
「胸を触っただけだ。他には何もしてない。おい、やめろっ、話が違う……やめ、うがあああああーーーー」
「
「済まない、
私は……何もできなかった。
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