不適切な関係?
03.01 「ぼくなりに覚悟が必要なのでね」
嫌なこともいろいろあったけど、
「ねえねえ、姫ちゃーん。次、体育だよ? 着替えに行こうよー」
「う、うん」
んー、3人? なのかな。彼女は
僕達が感染した奇病は、発症状況が人によって違うみたいなんだよね。僕なんかは重度みたいで骨格も変形しちゃってるんだけど、
彼より軽度になると、って発症者前提なのは置いといて、軽度な人はシンボルがちょっと縮んだとか、逆に少し伸びたりとかって程度で、体にそこまで変化は起きないみたいなんだ。そういう人たちは2、3週で元に戻ったみたい。でも、少し伸びたとかって、男の僕が想像しただけでもショックだよね。アレが伸びるのか……
「ほら、早く行こうよー」
「わかったよ、そんなに引っ張らないでよ」
こうしてブートキャンプ明けぐらいから何かと体に触ってくる。必要以上に密着してくるんだよなぁ。僕や君みたいに元々は男だった人だって居るのに、そこは気にしないのかなぁ。
まあそんな感じで友達もできて、っていうか
お金を溜めて
「
「別に構わないよ?」
今日のノルマもあるんだけど、まあちょっとぐらいならいいか。
「じゃあ、体育館裏で待ってるから」
「同じクラスなんだから態々そんな所に行かなくても。それに、体育館って4つあるよ?」
「確かにそうだね。じゃあ、第2体育館裏で」
「まあ、いいけど」
人に聞かれたくない話なのかなぁ。だったら僕のあげたアプリ使えばいいのに。
ちゃんと暗号化してるし、そもそも自作アプリだからメンバーも4人限定なんだけど。サーバも僕が管理してるから運営サイドに覗かれる心配もないよ?
とか思いつつ、
「第2体育館裏って、あれよね。告られちゃうのかなぁ、姫ちゃん」
「えぇ、まさか」
だって、
まあどちらにしても、現時点で男って事は恋愛対象にはならないかな。
「って、あんまり密着しないでくれるかなぁ」
「えー、誰も見てないんだからいいでしょー」
「そういう問題じゃなくてさぁ……」
「こんな体してる姫ちゃんが悪いんだよー。くびれた腰からプリっとしたお尻のラインが堪らないんだよー」
「嫌だって。止めてよー」
やっぱり男だよね、
「気持ちはわかりますけれど、そのくらいにしてさしあげたら? 着替えられなくて困ってるんじゃないかしら、
「
「仕方ないなー。じゃあ代わりに
「女の子だからって触れていいと思ったら大間違いですわ、ねえ、
「う、うん」
あの時は
◇◇◇
そして、放課後。
授業が終わって直ぐに準備したつもりなのに、
でも、なんだか苦しそう。顔も青ざめてるし。
「
「ああ、大したこと無い。少し息苦しいだけだから。きつく締めすぎてしまったようだ」
「締める?」
「気にしないでほしい」
「うん。でも、顔色悪いよ? 保健室行く? 話なら別の日でも――」
「いや、今聞いて欲しい。ぼくなりに覚悟が必要なのでね。今聞いてもらえなければ二度と決心できないかもしれない」
「そう、じゃあ聞くけど」
決心ってなに、嫌な予感しかしないなあ……
「
「う、うん」
「ぼくは……」
えーっと、長いな……。決心は何処行ったの?
「ぼくは……」
「ちょっと、
そのまま僕の方に倒れてきた。
押し倒されちゃうのかと思ったけど、単に意識を失ってしまっただけのようだった。顔色悪かったからね。
「しかたないなー、放ってもおけないから保健室まで運んであげるよ。もう、態々こんな誰もいない所で倒れなくてもいいのにさー」
初めて来たけど、2体裏には全く人気がない。
仕方なく、非力な体で
まあ、非力なのはこの体になる前からなんだけど、僕でも背負えるほど軽いんだね、
「姫ちゃん、気絶するまでって、激しすぎない?」
「
「んー、『二度と決心できない』あたりからかな?」
「
「割と最初から居たんだね……。だったら馬鹿な事言ってないで手伝ってよ。取り敢えず保健室まで運ばない?」
「確かにこんな姿を見られてはまた変な噂が立ってしまいますわね」
下衆い
「あとは私が看ておきますから、
「あー、でも」
意識が戻るまで待ってないとダメだよね、僕。
「
「
「私達は幼馴染ですから。そういった事は気にしませんの」
「そういうものなんだ」
「ええ、そういうものなのです。ですから」
折角そう言ってくれてるし、帰って仕事しよっかな。
「じゃあ、後はお願いね」
「はい。お願いされました」
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