第42話 身体は借りモノなので…
季節性うつ。季節性感情障害(SAD)と呼ばれるらしい。医学的にも科学的にも根本原因はよくわかっていないようだが、冬はふさぎ込んで動けなくなる系でそれはそれでとてもつらい。
しかしタチが悪いのが夏季うつ。夏の暑さ疲れ、もううんざり、しんどい…夏は冬のふさぎ込んでしまう症状と逆で、イライラしたり感情を抑えられなくなる。だから、うつ症状がある場合、自死は夏季うつの方が多いとか。
日照時間と自殺率の相関関係は明確にあるようが(Jpn.J.Biometeor.217(1):3-7,1999)寒冷期の日照時間と自殺の季節変動量・江頭和道ら)浴びすぎも良くないのか、暑さのせいなのか。地球温暖化というより地球沸騰化と呼ばれるようになった暑い夏、日本は四季ではなく二季(夏と冬)だ。
正直、死にたくなる。死ねば面倒なことや辛いこと、すべてを終わらせることができる。何度も死にたくなる気持ちは沸き起こる。毎日のようにどうやったら楽に死ねるのかネットで探す日々。これが今の私だ。
でも、「身体は借りモノ」である。会社で貸与されているパソコンや備品、レンタカーなどと一緒。この令和の世に生きている、天寿を全うしたとしても、たった生涯80年くらいの期間、魂を、借りている身体(時代を運ぶ自動車のような入れもの)で、来世に繋げているだけ。宇宙の歴史に比べたら秒でもない、瞬だ。
御霊や輪廻転生、神社崇拝などは、私は宗教ではなく日本人にとっては昔からの「日常文化」と考えている。私自身、宗教に興味はないし、どこにも入信もしていない。無宗教が私の宗教だからこんなこと言っているのかもしれない。
借りたものを壊せるか?壊していいのか?自死とは、借りているモノ(=身体)を自らの手で破壊することだ。
借りたものは大切に使う、返す時は借りたときよりもきれいに…。そんな日本文化にかぶれてしまったのか、借りモノと思うと躊躇するところがある。
自死したくなる時は突然だ。ドラマなどで翌日の準備をしていたのに、とか、夕食の準備をしていたのに自殺とは考えにくい、なんて推理は遠い過去のもの。希死念慮は脳の誤作動、衝動的に起こり、その時に実行できる体力や行動力があるか、ただそれだけ。
今は、この借りモノの身体を自分で壊すのに抵抗がある。その気持ちは現時点では正直な感想であり、衝動的に希死念慮が起こったときはそんなこと言っていられないのは百も承知だが、備忘録として残そうと思った。
難病遺伝子 葉月マコト @a71168
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