14●疫病神のつぶやき(11)…両者、“延期”でチキンレース?《3月20日追記》
吾輩は
現在は3月18日夜、お題はオリンピックのことである。
3月15日夜、G7の首脳会議をTV方式で行ったN国のAB首相は、オリンピック開催に関して「完全な形での実現」を強調したものの、“開催時期”については明言しなかった。
3月17日、IОC会長は臨時理事会を開いた際、“東京五輪の準備を予定通り進める”意向を明らかにした。
3月18日、テレビのニュースバラエティでは、「IОCは予定通り開催するつもりなの?」と驚きを述べる論調が見られた。
ネットニュースでも、選手たちの方から、これで開催したら練習も十分にできない……と、不満を述べる声が伝えられた。
ビミョーだねえ。
N国側は開催時期を明言せず。
IОC側は、字面通りに読むと“準備を進める”とあるものの、“開催する”とは明言していない。
フーンなるほど……
ここで、たとえ話をしてみよう。
社交好きなA君は、飲み友達のB君を誘って、友人を何十人も呼ぶホームパーティを企画した。
そのためA君は、自宅の座敷を綺麗にリフォームし、高級食材を買いそろえて準備万端。
B君は招待する友人たちに声をかけ、招待状を送った。
しかし直前になって今回のコロナ騒動だ。
ホームパーティは濃厚接触の恐れがある。やっぱ、
A君もB君も同時に思った。ここへきて中止するのは
パーティを延期した方が、いいんじゃないか?
しかし、口に出す前に、二人とも同時に思った。
延期したら、大枚はたいて買い込んだ高級食材がパーになる。ナマモノである。
宴会を盛り上げるため、芸人さんも呼んでいた。突然なのでキャンセル料も発生する。
もろもろの費用を、二人のどちらが、どれだけの割合で負担するのか?
そこで二人は同時に悟った。
先に「延期しよう」と言い出した方が、不利であると。
片方が「延期したい」と言えば、他方は、「言い出したのはあんただから、費用はそっち持ちだぜ」と答えるかもしれない。いや、きっとそうだ。
先に言い出した方に、費用負担を押し付けてくるだろう。
チッ、友達がいの無い奴だよな……と、A、Bそれぞれが、同時に心の中で舌打ちしたかも……しれないねえ。
哀しいが、二人の友情って、コロナの脅威の前には、そんなものだった……なんてことは、世知辛い世の中、よくありがちである。
パーティの開催日はせまる。
招待客から、「世界中が盛んにコロナってるけど、開催するんか?」と不安の声も届く。
しかし、A首相もB会長も、自分からは言い出せない。
どっちが先に「延期しよ!」と大声で言い出すのか……
互いに根くらべのチキンレース?
もしかすると、そんな状態なのかしら、ネエ?
まだしばらく、両者、舞台裏で根回ししつつ、落としどころを探っているんじゃないかと、思うんだけどね。
桜の花がほころび、聖火が国内で走り出すまでに、何らかの合意ができるといいよネ。
仲良く両者で手打ちするのを、吾輩も楽しみにしてるんだがね……
※追記……
今、A首相とB会長の間には、ひとつの確執が生まれていることが想像される。
昨年10月の、“IОCの鶴の一声でマラソンがサッポロになっちまった”事件だ。
この時、言い出したのはIОCなので、N国側は“従うけれど費用はそっち持ちだよ”と主張し、IОCも応分の負担に応じたとされる。
この前例パターンが今、双方の言動に影響を与えているはずだ。
もちろん“延期”の決定権はIОCにあるが、IОCが一方的に「延期しよ」と決めれば、サッポロの一件よりもはるかに桁違いな費用負担を背負い込む恐れがあると思われる。
だからIОCとしては、N国の側から「頼むから延期をお願いします」と頭を下げてほしいはずである。そうなれば言い出しっぺのN国側は、相当な費用負担に応じるだろう。
……ということで、双方とも、開催時期は曖昧にしたまま、「完全な形での開催に向けて“準備”する」と発言しつつ、相手側の態度軟化を待っている……といったところではないだろうか。
IОCのB会長の「まだ四か月ある」の言葉に、“相手の出方待ちの姿勢”が見え隠れしていると、吾輩は思うのだがね。
では、いつごろ決着がつくのだろうか?
3月26日のN国内での聖火リレー開始までが一つの区切りだろうが、さらに引き伸ばされることも考えられる。
その場合、先にしびれを切らしたAB首相が、国内全土に“緊急事態宣言”を出すかもしれない。この宣言が出ているうちは、オリンピック開催は不可能となるので、IОC側も無視できず、根負けして回答を出すのではないか?
こうなると、まさにチキンレース?
たぶんその前に、A国の“黒幕様”が乗り出して、まあまあその辺で痛み分けしろヨ……と、話を着けるんじゃないか?
何にしても、双方、ヤケを起こさずに、紳士的に解決してくださいねエ。
※追記……
3月18日、ある大臣から「呪われたオリンピック」という発言が飛び出した。普通なら“未曽ゆう”の失言と批判されそうなものだが、何かと本音ポロリのお方という評判もあり、ご時世がご時世だけに、なんだか納得しちゃった人が大半だったような……
つまり、これが何を意味するかというと……
“現政権の中で、オリンピックが面倒な問題を抱えた厄介者扱いされている”ことを暗に示していると考えられよう。
順調に予定通りに開催される目途が立っているなら、「呪われたオリンピック」などと、為政者側から発言するはずがないからだ。
一方、3月20日現在、A国のTR大統領は、6月に自国のキャンプデービットで予定しているG7サミットをTV会議形式に変更すると発表した。
G7は年一回の大切な宴会であり、接待ノウハウのレベルが試される。
主催国のプライドがかかった外交交渉の場である。
早い話が、大国のマウンティング大会である。
ここで偉そうにできる人が、世界を牛耳る。
大統領選を控えたTR大統領にとって、ワールドボスを演出する貴重な機会であったはずだ。
それが事実上のドタキャン。
よくよくのことであろう。
オリンピックどころでなさそうだ……
いよいよ“延期”の正念場かなア。
五輪開催の可否を決める重大要素は、ワクチンや特効薬など治療法の有無だ。
2010年の冬季五輪が、前年のインフルエンザ・パンデミックにも拘わらず開催できたのは、ワクチンの製造が間に合っていたからだ。
コロナの場合、7月には、まず絶対に無理だろう。
年内でも、かなり難しい。
とにかく、おカネの問題であることはよくわかる。
N国政府のご健闘を祈る次第だ。
※追記……
3月20日、聖火が宮城県の松島基地に到着した。
ギャラリーのない、ショボいセレモニーを救うべく駆け付けたのは……
ブルーインパルス。
半世紀余り昔の五輪と違って、GPSも使える時代、もうバッチグーの華麗な五輪が大空に描かれる、はずが……
風が強すぎた。
描くそばからフニャフニャと吹き飛ばされて、円の形にすらならなかったぞ。
五輪が、消えちまったヨオ……
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