まずこの作品、主人公の好きなアニメへの情熱がものすごい。読点さえ打たずにひたすら勢いだけで書かれたその熱量で、いかに彼がそのアニメを愛しているかがよく分かる。
そのアニメにうつつを抜かした結果、3回の留年。飛び降り自殺未遂。それでも、前を向いて歩くように仕向けたのはそのアニメだったという皮肉。
4000文字程度の中に込められた全てが実に愛おしい。男の情熱、堕落、やり直し……。
全てがこの限られた文字数の中に込められている。たとえ世間から馬鹿にされても、クソアニメと呼ばれた作品でも愛する気持ちは分かる。
私もかつてそういう経験をしたことがあったから。
だから男には心の底から改めて、人生を謳歌してほしいと思った。
色々と考えさせられる作品でした。