(2)せいえいの海
第11話 丙家(へいけ)の使い
「
「
「こちらは、
「とんだ、
「半月も前から、
「はて、
「なんでも、
「なんと、
「いかにも、その
「確かな使者であるのか、調べは行き届いておろうな。」
「はい、
「
「いかにも、その
「して、そのご用向きは、聞いておるのか。」
「はい、お伺い致しております。なんでも
「
「われも、そのように申し上げましたところ、「十分に承知の上での頼みである」と、なにしろ火急のお願いであるやに御座います。われの一存では、返事のしようもないので、
「う~む。何か、よからぬ気配を感じるが、会わぬわけにも行くまい。すぐに準備せよ。」
「頭をお上げください。ここは、そのような格式は必要御座いません。ささ。」
と手を差し伸べて、相手の緊張をほぐした。
「
なかなか、頭を上げない二人に、再度の礼を尽くした。ようやく二人は、頭を上げて昆の姿を見たのであるが、またまた、首を垂れた。それなりに無理な願い事であることを承知しているようである。
「いつもの献上の品を三倍に増やせ、との仰せに御座いますか。」
二人は、さらに小さく
「いかにも、三倍のお願いに御座います。」
と、
「わが一族がご用意できますものは、
すると、
「今、
「ほう、
「いえ、その様なつもりは、微塵もございません。ただ、帝の置かれている状況を申し上げただけであります。まことに、帝は今、
さらに、
「外に向かいては、
しかし、いずれにしても、
今は、低姿勢で、頭を下げてのお願いのようであるが、二人の口ぶりからすれば、言うことを聞かねば、武力行使も致し方ないという態度が、見え隠れしている。
これ以上、申し入れを断わっても、何の解決にもならない。
「
「もちろんでございます。
「
と、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます