第3話 哀しみの豊浦宮
しかし、
瀬戸の神となった
「どうだった、響きの海は。若宮の魂は、無事に
「なんの、なんの、われらは、いつもの海の航海よ。
「そうか、われら
「
「えっ。」
「われは、これまでに秋津洲を幾度となく巡ってきたが、
かつて瀬戸にやってきた時、まだ十三歳であった
「ありがたき言葉、心待ちにしておりました。わがアツミ一族は、神津島を拠点にしながらも、
「そうであったな。アツミ一族には、代々にわたって感謝いたしておるぞ。」
「
「覚えていよう、あの淡路の島、ゆずり葉山にはよく登った。あの島は、そなたの祖父、
「
落ち込んだ
「それと、
「
「いかにも、その
「ほう、
櫛彦は、正気が戻ったようで、人の話に耳を澄ましている。
「
「そちら、
「確かに、海の航海を操るところは、同じでありますが、それだけではありません。あの太古の海底大爆発によって、漂流の民となった者たちの子孫です。奴らの周りには、海の彼方の見知らぬ異人がいつも一緒にいるのです。昆の心の中には、われらとは全く違った世界があると思っております。団結の強い一族をなし、遥か南の海人との交流があります。昆とは戦いのない心安らかな折に、一緒に海に出てみたいと思っておりました。」
「なんだ、すでに準備は出来ているようだな。ならば早速、
といって、立ち上がると
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