第31話
~ハルが異世界召喚されてから1日目~
ハルはステータスを確認した。
【名 前】 ハル・ミナミノ
【年 齢】 17
【レベル】 12
【HP】 121/121
【MP】 123/123
【SP】 148/148
【筋 力】 86
【耐久力】 107
【魔 力】 113
【抵抗力】 102
【敏 捷】 99
【洞 察】 102
【知 力】 931
【幸 運】 15
【経験値】 800/2600
・スキル
『K繝励Λ繝ウ』『莠コ菴薙�莉慕オ�∩』『諠第弌縺ョ讎ょソオ』『自然の摂理』『感性の言語化』『第四階級火属性魔法耐性(中)』『第三階級火属性魔法耐性(強)』『第二階級以下火属性魔法無効化』『第一階級水属性魔法耐性(中)』『恐怖耐性(中)』『物理攻撃軽減(弱)』『激痛耐性(弱)』『毒耐性(弱)』
・魔法習得
第一階級火属性魔法
ファイアーボール
ファイアーウォール
第二階級火属性魔法
ファイアーエンブレム
第四階級火属性魔法
ヴァーンストライク
第一階級水属性魔法
ウォーター
第一階級風属性魔法
ウィンドカッター
レベルが一気に4上がった。なんだか自分が強くなった錯覚に陥る。
HPとMPの値が3桁になると尚更そんな気がする。
「オイ!」
──さぁ…これからどうするか…スタン先生を殺すよりも捕らえる方が王国にとって利益だと思うんだよな……
「お前!ここらへんの人間じゃねぇな?痛い目に合いたくないなら金だしな!」
──多分前回より楽にスタン先生を倒せそうだし……
「オイ!無視してんじゃねぇ!」
不良の背の高い方が殴りかかってきた。
ハルはそれをヒョイと躱す。
不良は殴りかかった勢いのまま、前につんのめり転んでしまった。両手を地面についてなんとか受け身を取ると起き上がり、もう一度ハルに殴りかかる。
ハルは向かってくる不良の右拳をチラと視認すると、伸ばされた不良の右腕の側面に自分の手の甲をあてがって、攻撃を逸らした。不良はそのまま路地裏を形成する建物に激突する。
──こんな感じか?
ピコン
新しいスキル『受け流し』を獲得しました。
「おっ!覚えた!ってそれよりスタン先生を泳がせて…4日目に捕らえるとかは?」
建物に激突した不良は鼻を抑えながらもう1人の仲間に命令する。
「クソッ!お前もやれ!」
2人がかりでハルに殴りかかる。
──なるべく皆を危険に晒したくないんだよなぁ……
2人の攻撃を躱し続けるハル。
──どうしたものか……
攻撃を躱し続けること数刻。
「「はぁはぁはぁ……」」
肩で息をし始める不良達。
そこに第三者がやって来た。
「大丈夫か!?」
大きな槍を携えて、髪を逆立てた青年が駆け付ける。青年の目付きは鋭く、この王都を練り歩く衛兵よりも簡素な鎧を身に付けていた。
ハルは返事をした。
「あぁ、まぁ大丈夫ですよ?」
すると青年は携えた槍をハルに向けて言った。
「俺が心配したのはお前じゃなくてこの二人だ!」
「なんでやねん!見てなかったんか?」
「ずっと見てたさ?」
「見てたさ?じゃねえんだよ!僕が攻撃されてたの見えてたんでしょ?」
「あぁ。だがお前は攻撃を躱し続けた。これはイジメだ」
青年は真面目な表情で言う。
「だからなんでやねん!やられてたのは僕でしょ?」
「俺が言ってんのはレベル差いじめについてだ!」
──レベル差いじめ?はて?
「少なくともコイツらよりもお前はレベル6は上だろ?そんなにレベルが離れているのにお前はコイツらを追っ払おうとせずにおちょくっていた!俺はそんな汚ぇ野郎が嫌いなんだよ!」
──あ~成る程…いやちょっと待て…
「…例えば僕のレベルとコイツらのレベルが5以内だったら?それはイジメになるか?」
「ん~にゃ?ならねぇ」
顎に手を当てて答える青年。
「一対二でもレベル5以内だったら?」
「ならねぇな」
「あんた…さっきずっと見てたって言ってたけどいつから見てた?」
ハルは俯いて訊いた。
「この二人の内の一人がお前に殴りかかる辺りからだ。今日の俺の仕事は王都の警備だからな!」
──あぁコイツ…あの頃、僕がこの二人にボコボコにされてるところを只見ていたんだ。レベルの差がそこまでないからって助けてくれなかったのか……
「あぁ、めっちゃ腹立ってきた……」
ハルは拳を握り締める。
「オッ?殺るのか?」
青年は槍を構える。
不良達は青年が衛兵であることがわかり、その場を黙ってあとにした。
「ちなみに僕とアンタのレベル差は?」
「俺のがちょい上ってとこだ、ろ!?」
言い終わると同時に槍を突いた。ハルの顔面に槍の尖端が飛んでくる。
「はやっ!」
ハルはそれをギリギリで躱した。
「ハッ!?これ避けんのかよ!?」
青年は槍を引き戻し、もう一度同じ様に攻撃してきた。
今度は少し余裕を持って躱すことができた、ハルは青年が槍を引き戻す瞬間に一気に間合いを詰め、青年の顔面に右ストレートを見舞おうとすると、
青年はニヤリと不適に笑う。
青年は槍を引き戻しながら槍の尖端を上空へ、そして反対側、柄の部分、石突と言われる所を地面からハルの腹部目掛けて半回転させハルの腹部にヒットさせる。衝撃で後方に飛ばされたハルだが、きっちりとガードしていた。
「…お前…やるなぁ……ならこれは、どうかな?」
青年の身体周りに魔力とは違うオーラが漂う。
「槍技・三連突き!」
狭い路地にハルの胸を狙う三連の刺突が横並びに飛ぶ。
半身となって躱しても、或いはしゃがんでも何処かしらにヒットしてしまうと悟ったハルは、それを受け止めようとする。
しかしギラつく槍を受け止めるにしても、その手は無事ですむことはないだろう。
──手を持ってかれる!?マズイ!!
気が付くとハルは第四階級火属性魔法ヴァーンストライクの炎を全身に纏っていた。
ピコン
第四階級火属性魔法
『ヴァーンプロテクト』を習得しました。
─────────────────────
ランガーは退屈していた。
子供の頃から戦闘が大好きで、周りからは煙たがられた。戦士養成学校ですら馴染めなかった。そこを卒業したランガーは戦争だけが自分の居場所だった。
街の警護をしていたが、建物の屋上でサボっていると、下の路地から口論する声が聞こえる。
身を乗り出して、声のする方を見下ろした。ボロをまとった少年2人と、身なりのいい1人の少年。
2人組の少年の1人が殴りかかるが、身なりのいい少年は最小の動きでそれを躱した。
「へぇ~?」
初めは子供同士の喧嘩だと思っていたが次第に身なりのいい少年の動きに洗練された何かを感じ始めるランガー。
「アイツ……おちょくってやがる……」
戦士養成学校でランガーの突きを悉く躱す女戦士、エリンのことを思い出した。
「ちっ嫌な記憶が……」
ランガーは攻撃を躱され続ける少年と自分を重ねていた。
気付けば、
「大丈夫か!?」
ランガーは身なりの良い少年の前に立ちはだかっていた。
一度の突きを躱され、二度目の突きはさっきよりも余裕をもって躱された。
そして、石突のカウンターも防がれる。この時点でランガーの心にボロをまとった少年達を救う名目はどこかに消え去った。
──コイツ!?すげぇ!俺の攻撃を初見で躱しただけじゃなく石突のカウンターもガードしやがった!
「…お前…やるなぁ……じゃあこれは、どうかな?槍技・三連突き!」
連続で放った刺突は狙った獲物を逃がさない。
──入った!
ランガーは勝ちを確信したが、その予想は外れる。
放った三連突き、いや槍そのものが少年の身体に触れる前に無くなった。
ランガーは急いで槍を引き戻したが、尖端は溶けていた。
「なんだよこれ?お前…一体……」
少年の身体を覆うように青い炎が見える。
「お前?魔法使いか?」
「……」
「おい!無視すんな!」
身なりのいい少年はランガーに掌を向けた。
──来る!
ランガーは尖端が溶けてなくなった槍を構えた。
少年の掌から闇が拡がる。
ゴーン ゴーン
~異世界召喚されてから1日目~
「がぁ~勿体ないことをしてしまった」
緊急回避用の魔法を使ってしまった。
残るは土属性、光属性、聖属性の三回だ。今まで死にかけていたハルは、この緊急回避用の魔法を唱えることをすっかり忘れていたのだった。
余裕がある今だからこそ、この思考に至ったとも言える。
新しく闇属性魔法を習得した他、MP、SP、魔力、洞察も1上がった。
【名 前】 ハル・ミナミノ
【年 齢】 17
【レベル】 12
【HP】 121/121
【MP】 124/124
【SP】 149/149
【筋 力】 86
【耐久力】 107
【魔 力】 114
【抵抗力】 102
【敏 捷】 99
【洞 察】 103
【知 力】 931
【幸 運】 15
【経験値】 800/2600
・スキル
『K繝励Λ繝ウ』『莠コ菴薙�莉慕オ�∩』『諠第弌縺ョ讎ょソオ』『自然の摂理』『感性の言語化』『第四階級火属性魔法耐性(中)』『第三階級火属性魔法耐性(強)』『第二階級以下火属性魔法無効化』『第一階級水属性魔法耐性(中)』『恐怖耐性(中)』『物理攻撃軽減(弱)』『激痛耐性(弱)』『毒耐性(弱)』『受け流し』
・魔法習得
第一階級火属性魔法
ファイアーボール
ファイアーウォール
第二階級火属性魔法
ファイアーエンブレム
第四階級火属性魔法
ヴァーンストライク
ヴァーンプロテクト
第一階級水属性魔法
ウォーター
第一階級風属性魔法
ウィンドカッター
第一階級闇属性魔法
ハルは不良達に絡まれる前に退散した。
「アイツらと絡むと録なことがない!それにしてもあの衛兵?槍使い?ムカつく!あぁ!!むかちゅく!!」
ハルはこの後、フレデリカの指導の元、闇属性魔法の第一階級魔法『ブラインド』を習得した。
夜中、ルナと合流した。しかし、少し変わったことをしてしまった。
それは路地裏で酔っ払いを追い払うためのファイアーボールを撃たなかったのだ。
何故なら、威力が桁違いになってしまったので王都に混乱を招いてしまうと考えたからだ。
──一回だけ試しにどうなるか唱えてみても良いんだけどね……
今の実力ならあの紫色のドレスを着た女とそこそこいい勝負もできると踏んでいたため、敢えてファイアーボールを唱えなかった。しかし、あの女は姿を現さなかった。
無事2日目に突入する。
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