13 即興の快楽〜お題に導かれるまま

何から何までお題のおかげということもあります。今回取り上げる作品、タイトルを見て「おや? 入力ミスじゃないの?」と感じると思いますが、この通りのお題をいただきました。みなさんならこの言葉、どういう意味だと思いますか? ぼくも考え考え書き進めました。結果、普通のエッセイとしても十分に読み応えのある内容となりました。まずはご一読を。

 

【高子少齢化】SFPエッセイ023

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892340431/episodes/1177354054892881828

 

冒頭にまず「少子高齢化」に触れているのは、入力ミスではないか、書き間違いではないかという疑念を払拭するためです。続けて「高子少齢化とは何か。」なんて書き出していますが、この時点ではまだ何のアイデアもありません。とりあえず「走りながら考える」ならぬ「書きながら考える」ということをやっています。

 

いきなり脱線しますが、ぼくは「書きながら考える」ということをしばしばやります。もっと正確に言うと「書いている途中で新しいアイデアを思いつく」ということをしばしば経験しています。もちろん書き出す前から「これこれこういう内容のことを書こう」と決めて書くこともありますが、書いていて面白いのは何と言っても、書き出す前には考えたこともないようなことを思いつく時です。自分でも素直に驚いたり感心したりします。いわば「最初の読者」として新鮮にその作品を楽しむわけです。「おれ、天才じゃね?」と思うのもそんな時です。はっきり言って快感です。即興で書くというスタイルをとっている最大の理由はこの快感にあると言ってもいいでしょう。

 

さてそんな風にして、親の庇護下にある子どもとしての年齢がどんどん上昇しているのが「高子化」だという思いつきを書きつけ、「うん悪くない」とほくそ笑みます。続く「少齢化」についてはしばし悩みますが、何の年齢が下がっているかというところで、教育開始年齢が加速的に前倒しになっていることに思い当たります。

 

ビンゴ!

 

ここまで思いつくと一気に現実に起きている問題とからめながら話を展開できるようになります。そしてそれをさらにデフォルメして、今のようなことを進めていくとどんなとんでもないところにたどり着いてしまうかを構想します。

 

こうして現実世界と重なっているところから一気にフィクション世界へと入っていくわけですが、当然のことながら「こんなことを続けていたら、とんでもない世界に突入しますよ」という現実世界への警告にもなるわけです。

 

終盤は若干下ネタがかったコミカルな展開とオチで占めていますが、この作品もまたディストピアを描くことで警鐘を鳴らすタイプのものなのです。続けざまに重苦しい作品を書くのもつらいので、こんな風に軽いタッチでしめくくってみた、ということです。

 

というわけで【高子少齢化】は、このお題に導かれるままに書き進めることで、書き始める前には言語化されていなかった自分の中のもやもやを整理っすることができました。これ、なかなか楽しいのでぜひお試しください。

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