第5話

『総督!居ますか!』

『ああ、とりあえずは準備は終わった。』

そして総督から軍を率いてお嬢様を助け出しに行くと言う話を聞かされて俺も共に準備をした。

『久遠』

『なんだ?この忙し時に。』

『なんでもない。絶対助けるぞ。』

『当たり前だ。』

そして俺は先に指定された場所へと向かって居た。

そこは倉庫だった。

もう使われていないところだ。

『おい!来たぞ。お嬢様を返しやがれ。』

『ようやく来たか。遅かったな。久遠とやら』

見た所相手はカラーギャングの親玉らしき人物だった。

そして周りにはその仲間が囲んで居た。

『おいおい。メールにはこいつの父親も連れて来いと言っていたが?』

『総督はお嬢様を助け出すために軍を率いてこっちに向かっている。その前にケリをつけにきた。』

『おいおい何言っちゃてるの?バカなの?こっちには人質も言っていうのによー。』

そして傷だらけのお嬢様が吊るされていた。

それを見て笑う奴もいた。

『五月蝿いんだよ。てめえらが触れていい人ではねぇんだよ。』

俺は親玉らしき奴に向かって駆け出していた。

そして俺は拳を繰り出し相手のコメカミへと直撃させたその後、CQCを扱い相手をねじ伏せた。

『てめえらと俺の実力差はこんなもんなんだよ。わかったのならささっとお嬢様を解放しろ。』

周りの奴らは笑ったりして見ていただけであった。

(なんだ、一体この不安感は。)

『ああ、たしかに負けそうだなー。ただな俺らだって単に待ち伏せしてただけじゃないんだぜ。』

そして俺は周りを見て唖然とした。

カラーギャングの仲間の周りには警察がいたのであった。

『おい!お前ら警察だろ。捕まえろよ。

なあ!?』

返事はなかった警察もただ呆然と突っ立っていただけだった。

『さーてと、そろそろやるか。』

ねじ伏せられていた相手に起き上がると同時に吹っ飛ばされた。

そして囲まれていて言わばストリートファイトと周りは化していたのであった。

そしてお嬢様を人質に取られていたので抵抗することもなく相手に殴られるばかりになって行く。

『も、もうやめてあげて。私ならどこにでも行くし、なんでも言うこと聞くから。暁さん!』

(暁?そういやー写真には写っていたけど姿はまだ見ていないな。)

お嬢様は泣きじゃくりながらそう言っていた。

そして親玉らしき奴が一人の男を呼び寄せ俺の目の前に立たせた。

その男はフードとって素顔を表した。

『あ、あかつきいいぃぃ。テメェどういうことだ!』

俺は呼び寄せたが、暁は無言のまま俺の腹を蹴りこう言った。

『俺はな、テメェら軍人がのうのうと生きているのがうざいんだよ!今回の件もそうだ。父さんがこいつの父さんに助言してギャング共を捕まえる話をしたのに一方的に突き返してきて、だから恨みも兼ねてこっち側についたんだよ。』

『お嬢様は関係ないだろ!テメェが勝手に思っただけで父親と話ししたのか?あぁ?』

『それとなー、テメェにもイラついてんだよ。久遠。テメェは上から目線で鬱陶しいさ。お嬢様の側近だっけ?

ほんとまじでうざいんだよ。一目惚れしただけでそこまでよく頑張れるなー。おい!』

『ウルセェな、一目惚れで何が悪いんだよ。いいじゃねぇか。てか人の恋路邪魔してんじゃねぇぞ。』

その瞬間倉庫の扉が開いた。

『よく言った。久遠、あとで話は聞かせてもらうぞ。それとテメェら、覚悟は出来てるんだろーな?』

その先にいたのは総督と仲間たちだった。

『久遠!遅くなってしまった。署長たちに連絡を取ってた。すまないな。』

『総督きたらだめです!まだ、お嬢様が…。』

『問題ない。もう助け出している。』

お嬢様の方に振り向くと仲間たちに助け出されていた。

『殺れ。久遠よ!』

『了解です。総督。』

その瞬間俺は残っている全ての力と銃弾を使い相手を圧倒した。

その後、俺は床に倒れた。

『残り奴は俺らで処理するぞ。』

『イェッサー!!』

その後のことは聞かされただけで残ったカラーギャングと暁とその派閥は総督たちによって捕らえられ、幕を閉じたのである。

それから数日、俺はお嬢様に告白紛いのことをしてしまって皆からはおちょくられ総督からは叱られる羽目となり、お嬢様とはあれからまだゆっくりと話せていない状況だ。

そして俺はというと側近からの役目は外されたとはいえお嬢様が総督を説得して軍に戻らされたのである。

『どうすっかなー。お嬢様と話せるのが一番なのだが。』

『私がどうしたの?』

『お嬢様!!一体いつからそこにいたのですか!?』

『ちょうど今さっき。で久遠私とそんなにも話したかったの?』

『へ、え、あ、はい。』

『そう。なら話してほしいな。今度は力になりたいし。』

『いいんですか?あの事については言及しないで。』

『あの事って?ああ、私に告白紛いのことをしたことかー。』

『わ、分かってるなら口に出さないでください。』

俺は顔から火が出るようだった。

お嬢様の方はというといつも通りだった。

『お嬢様の方は怪我は治りました?』

『ええ、ちゃんと完治しましたよ。』

『そうですかそれは良かったです。』

『お嬢様。』

ずっと願ってたんだ

『なに?久遠』

もし叶うなら…

『俺と…』

『待って』

『えっ?』

『私と結婚を前提に付き合ってください。圭。』

『へっ?』

俺は動転しすぎて間抜けな声しか出なかった。

『久遠、返事今聞かせてほしいな。』

そんなの、決まってるじゃないか

『何言ってるんですか。俺の返事は変わりませんよ。お嬢様。もちろん大好きですよ。』

俺はそう言った。

言った瞬間周りから拍手喝采と歓声が飛び回った。

『ちょ、テメェら今の聞いてたのか!!』

『あったりまえだろ。ちゃんと録画も録音もしたからなー』

『ごめんね。圭。』

『お嬢様ー。それはないですよー。』

かくして、総督からの了承も貰い、俺は晴れて一目惚れからの両思いとなり無事結婚前提で付き合えたのである。

俺の仕事は今までと変わらず側近だがお嬢様とのこれまでの雰囲気が一変にして変わった。

『けーいー。早くー。』

『お嬢様、待ってくださいよー。』

これからも俺はお嬢様を守り続けていき、

新しい日々が始まるのだろうな。

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