番外編:カクコン5を分析してみた。(言い訳・ジャンル編)
(注意)本作に出てくるデータは2020年2月21日までに取得されたもの、及び、カクコン5関連のデータは中間発表一覧から取得されたものです。
第5回カクヨムWeb小説コンテスト・中間選考結果発表
https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_web_novel_005
カクヨムWeb小説短編賞2019・中間選考結果発表
https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_web_short_2019
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「あ! これ、カクヨムコンの中間選考結果ね!」
「そ、そうだな」
俺――
第5回カクヨムWeb小説コンテスト・カクヨムWeb小説短編賞2019――通称『カクコン5』。
1年に1回開かれる、KADOKAWA主催の大型コンテストだ。
小説家デビューを目指す卵達にとっては登竜門。Web応募ということもあって敷居が低く、誰にでも小説家になるチャンスがあると言えるだろう。
「タケル君って、何か作品出してたの?」
「うーん、出すには出してたんだけど……。カクヨム始めたばっかりで右も左も分からず、とりあえず応募しましたみたいな中途半端な形になってしまったんだ」
「ちゃんと募集要項読みなさいよ。他の方に失礼だわ」
「コンテスト参加を取り下げておけばよかったと思ってる。本当、ごめんなさい……」
「まぁいいわ。それより、今回も何か統計をとってるのよね?」
ギクゥ。
「あれ? なんでそんな深刻な顔をしてるの?」
「い、いやぁ。中間選考結果のデータからいろいろ見ていこうとは思ってるんだけど……」
「なんか歯切れが悪いわね。正直に吐いちゃいなさい!」
「じ、実は……第5回カクヨムWeb小説コンテスト……そのデータを取り損ねたんだ」
「え?」
「いやぁ、大失敗。まさか、中間発表と同時に応募作品一覧がなくなるとは思っていなかった。痛恨の極み」
「ま? ちょっとタケル君、油断しすぎじゃない!」
「面目ない……」
データを収集する方法は一応ある。ただ、それをやろうとするとカクヨムに公開されている全160,000作品全てをスイープする必要があり、カクヨムサーバーに多大な負荷をかけることになる。
え? 111,402人のデータ集めるときに思いっきりサーバーに負荷かけただろと思ったそこのあなた。
そ の と お り だ
しかし、10秒に1回バックアップデータ保存のため間を置く(約20ミリ秒~15000ミリ秒)など、アカウントバンを喰らわない――もとい、サーバー負荷をかけないような工夫をしているのだ。
「こういうのはどうかしら。他の方がデータをとってるかもしれないから、データの提供を求めるとか」
「あ、それいいね」
「ということでこれを読んでいる方に緊急募集! カクコン5応募作品の全データの情報を大募集! 最低限、小説名とアカウント名(ペンネームだと同じ名前があったりして困る)が分かれば問題ありません!」
「是非お願いします……」
「……と言うことで、今は手元にあるデータだけでなんとかしましょう」
「そうだね。本編で使用している2020年2月21日までに収集したデータと、中間選考の結果を使った考察をしていくよ」
「はーい」
「まずは、基本統計の確認からしていこう」
「了解」
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統計情報(カクコン5)
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長編:4,724作品
短編:5,505作品
長編通過:412作品 (8.72%)
短編通過:557作品 (10.12%)
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統計情報(カクコン5)
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長編ファイナリスト:367人
短編ファイナリスト:442人
うち長編&短編両方:69人
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※重複(2作品以上通過)は1ユーザーとしてカウント
「上位10%が生き残った感じか」
「そうだね。ちなみに、中間選考に残ったユーザーは全て本編に使用しているデータに含まれていたことを言っておくぞ」
「データを採った時期が、カクコン5の読者選考が終わった後だったから当然ね」
「それにしても、参加作品のデータがあればどれくらいのユーザーが生き残ったも調べられるんだがなぁ……」
「はいはい、もう愚痴はそれくらいにして次に行こうか」
「ここからは、中間選考を通過したユーザーが、本編で使用しているデータでどんなジャンルの『書き手』に分類されているかを見ていこう」
「これは、カクコン5に通過した作品のジャンルといっしょなのかしら?」
「いや、そうとは限らない。本編のデータはそのユーザーが公開した直近12作品の小説から分類しているから、一致するとは限らないぞ」
「分かったわ」
「その辺に注意しながら見ていこう」
――――――――――――――――
統計情報(カクコン5長編)
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1位:異世界ファンタジー
140人 (38.15%)
2位:現代ファンタジー
56人 (15.26%)
3位:恋愛
49人 (13.35%)
3位T:ラブコメ
49人 (13.35%)
5位:現代ドラマ
25人 (6.81%)
6位:SF
23人 (6.27%)
7位:ホラー
8人 (2.18%)
8位:エッセイ・ノンフィクション
4人 (1.09%)
9位:歴史・時代・伝奇
4人 (1.09%)
10位T:詩・童話・その他
4人 (1.09%)
11位:ミステリー
3人 (0.82%)
12位:創作論・評論
2人 (0.54%)
――――――――――――――――
※Tは順位タイを表す。
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統計情報(カクコン5短編)
――――――――――――――――
1位:異世界ファンタジー
87人 (19.68%)
2位:現代ドラマ
81人 (18.33%)
3位:恋愛
69人 (15.61%)
4位:現代ファンタジー
51人 (11.54%)
5位:SF
45人 (10.18%)
6位:ラブコメ
32人 (7.24%)
7位:詩・童話・その他
29人 (6.56%)
8位:エッセイ・ノンフィクション
18人 (4.07%)
9位:ホラー
12人 (2.71%)
10位:歴史・時代・伝奇
9人 (2.04%)
11位:ミステリー
7人 (1.58%)
12位:創作論・評論
2人 (0.45%)
――――――――――――――――
――――――――――――――――
統計情報(長編&短編)
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1位:恋愛
17人 (24.64%)
2位:異世界ファンタジー
13人 (18.84%)
3位:現代ファンタジー
10人 (14.49%)
4位:現代ドラマ
9人 (13.04%)
5位:ラブコメ
8人 (11.59%)
6位:ホラー
4人 (5.80%)
7位T:SF
2人 (2.90%)
7位T:歴史・時代・伝奇
2人 (2.90%)
7位T:詩・童話・その他
2人 (2.90%)
10位T:エッセイ・ノンフィクション
1人 (1.45%)
10位T:創作論・評論
1人 (1.45%)
――――――――――――――――
※Tは順位タイを表す。
「長編と短編で傾向が違うわ。特に現代ドラマの落差がすごいね」
「うん。現代ドラマの『書き手』は長編では25人なのに対し、短編では81人とかなり差がついてしまっている。カクヨムでは、現代ドラマの長編はあまり受け入れられないのかもしれないね」
「もしくは長編を書くのが苦手とか?」
「それも考えられるし、単に長編現代ドラマの人気が無いだけとも言える。この辺はちゃんと通過作品のデータを照合しないとダメだろうな」
「そっかー」
「恋愛の強さが示唆されているね。長編49人、短編69人と安定している。それに長編と短編の両方に通過させている人が17人もいるというのが、何よりの証拠かな」
「確かに。人数こそ恋愛の『書き手』に劣るけど、現代ファンタジーやラブコメも同様の傾向かしら」
「そんな感じだね」
「ところで、今回『言い訳編』ってなってるけど、番外編なのに続きがあるっぽい?」
「うん。案外書くことが多くて、俺としては喜んでる」
「そうなんだ。次回のカクコンに向けて参考になるかな」
「多分、なると思う」
「そっかー。では次回、『必見! カクコン完全攻略! これさえ読めば中間選考突破間違いなし!』、『カクコン中間選考なんて楽ちん♪ 必勝マニュアル授けます』をお楽しみ!」
「いや、そこまで凄くないよ? 煽りすぎだよ!? って言うか、とっても胡散臭いんだけどー!?」
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今日の研究ノートまとめ
――――――――――――――――
・カクコン5のデータを分析
・全データがありません!(泣)
・誰かデータをください(懇願)
・中間選考の通過率は長編が8.72%、短編が10.12%
・恋愛の『書き手』が強い
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