番外編

番外編:最高のお祭り (KAC2020) を分析してみた。

(注意)本作に出てくるデータは2020年2月21日までに取得されたもの、及び、KAC2020関連のデータは2020年3月15日午前8時48分~55分にかけて取得されたものです。


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「燃え尽きたぜ……真っ白にな……」


 俺――草薙くさなぎタケルは、壁の隅に置かれた椅子に腰掛けぐったりとうなだれていた。


 何故かと言えば、ついこの間まで開催されていたカクヨム生誕祭2020のイベント、『KAC2020 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2020~』に10作品を書ききり、さらに番外編として1作を上梓して、文字通り燃え尽きたからだ。


 10作品の総文字数、35,391文字(1作品当たりの平均文字数、3539.10文字)。


 これは、KAC2020に参加したユーザーの中では最も多い。俺が統計を取った限りでは。


 分かってるよ? たくさん書いたからって面白くなければ意味がないってことくらいは。でもね、どうしても長くなっちゃったんだ……。これは単に力量不足かも知れないと反省する俺であった。


「タケル君。KAC2020、お疲れ様!」


 幼馴染みであるとう景子けいこがねぎらいの言葉をかけてきた。


「ケイコちゃん、ありがとう」

「タケル君の作品は、笑いあり、涙あり、感動あり、恐怖あり――よりどりみどりで一貫性が無かったわね!」

「それ、褒めてるの? けなしてるの?」

「褒めてるわよ。多分」

「そうかなぁ……」

「でも、このイベントで今まで交流の無かった『書き手』の人たちと知り合ったり、今までタケル君の作品を読んだことが無い『読み専』の方が読んでくれたり、結構有意義だったんじゃないの?」

「うん。いい経験になったよ」

「ところで、こんな番外編を書いてるってことは、何か統計をとったのよね?」

「その通りだ。Twitterではジャンル別作品数やPV数を随時統計速報として流してたんだけど、今回はより本格的に分析してみた」

「本格的? どういうこと?」

「本編で使っている2020年2月21日までに取得したデータとあわせて、次のような分析をやってみた」


『書き手』のと、PV数、応援数(ハート)、レビュー数(星)には相関関係があるのか?


「あー、確かに気になるわ。直感的にはありそうな気はするけど、実際にはどうなのか確かめた人は多分いないでしょうね」

「うん。フォロー数はユーザープロフィールページから確認できるけど、は外部に公開されない情報だから、今までは分析のしようが無かったはずだ」

「この作品ならではの視点だね」

「その通りだ。分析を始める前に言っておきたいのは、ルール違反などがあるかどうか、完全にはチェックしきれていないということ。タグ被りなどは目視で確認したけど、取り切れているかどうかはちょっと分からない。と言うことで、KAC2020に関してはややエラーが含まれているデータだということをあらかじめことわっておくぞ」

「分かったわ」

「まずは、本編に使用しているデータに含まれているユーザーとKAC2020に参加しているユーザーがどれくらい被っているか、それを見ていこう」

「はーい」


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 統計情報

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 KAC2020参加者:744人

 本編に使用しているデータに含まれている人数:675人

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 ※KAC2020の5つの課題に対して少なくとも1作品以上を公開したユーザー


「差し引き69人も新規がいるのね」

「そうらしい。申し訳ないが、これらの方々は今回の分析からは除外させてもらう」

「了解」

「では次に、KAC20201~20205の通算PV数、応援数(ハート)、そしてレビュー数(星)の結果だ」

「ほいきた」


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 統計情報(675人)

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 1作品当たりのPV数:30.38±87.01(最大値:1,618.60)

 1作品当たりの応援数(ハート):5.94±9.60(最大値:85.40)

 1作品当たりのレビュー数(星):11.19±20.29(最大値164.60)

 ――――――――――――――――

 ※KAC20201~20205全ての作品を合計した平均値±標準偏差


「これは多いのかしら? 少ないのかしら?」

「うーん……。比較対象がないのでなんとも言えないな。ただレビューに関しては、この短期間の内に少なくとも4人が星をつけてる(※)ことから、お祭り補正がかかっている様子は伺える」


(※)3人が星3つを付けると星が9で、11.19に届かない。最低4人必要。


「さて、いよいよ『書き手』のと、PV数、応援数(ハート)、レビュー数(星)には相関関係があるのか、具体的なデータを示すことにしよう」

「具体的にはどうするの?」

「相関係数を使う」

「そうかんけいすう?」

「2つの確率変数の間にある線形な関係の強弱を測る指標のことだ。係数が1に近いほど相関が強く、0に近いほど相関が無いことを示しているぞ」

「日本語でお願いします」

「んー……。相関関係が強いと、フォロワー数が多ければ多いほどPV数も多くなる。相関関係が弱いと、フォロワー数が多くてもPV数が多くなるとは限らない。これで分かるかな?」

「まぁ、なんとなく」

「本当に大丈夫かな……。まぁ、いいや。それじゃぁ、注目の結果はこうなったよ」

「ふむふむ?」


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 統計情報(675人)

 フォロワー数との相関係数

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 PV数       :0.63

 応援数(ハート):0.70

 レビュー数(星):0.59

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「この結果はどう見ればいいのかしら」

「諸説あるけど、相関係数が 0.7~1 の間にあると『かなり強い相関』、0.4~0.7 の間だと『やや相関』、0.2~0.4 だと『弱い相関』、そして 0~0.2 は『ほとんど相関なし』とされる」

「ということは、フォロワー数が多ければ多いほど読まれやすく、めっちゃ応援されやすく、レビューもされやすいってことね」

「その通りだ。そして、レビューの評価は応援よりもやや厳しいこともデータから伺えるな」

「より多くのフォロワーを獲得することが、自分の作品がたくさん読まれる近道なのね」

「うん」

「そうするためにはどうすればいいのかしら」

「良い作品を書き続ける。これに尽きるだろう」

「後は、このようなKAC2020みたいなイベントに参加することも効果的よね。ちなみにタケル君、このお祭りで何人くらいフォロワーが増えたの?」

「ちゃんと数えたわけじゃないけど、20人くらいは増えたかな」

「ほわー、それはすごい」

「と言うことで、KAC2020に参加された皆様、お疲れ様でした!」

「これからも、タケル君と仲良くしてあげてね♪」



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 今日の研究ノートまとめ

 ――――――――――――――――

 ・KAC2020のデータを分析

 ・フォロワー数が多いほどPV数、応援数、レビュー数が多いことを定量的に示した

 ・短期間の勝負ではフォロワー数が多いと有利

 ・良い作品を書いて、どんどんフォロワーを獲得しよう!

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