第3.2話 111,402人って、どれくらいカクヨムの小説を読んでるの?

(注意)本作で出てくるデータは、全て2020年2月21日までに取得されたものです。


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「――はぁ、面白かった!」


 俺――研究所主任研究員マッドサイエンティスト草薙くさなぎタケルが、新しいデータ収集プログラムの作成に没頭していると、幼馴染みであるとう景子けいこが突然叫んだ。


 ソファーに寝っ転がってタブレットを眺めてないで、たまには研究助手アシスタントらしいことをしてくれよ……。


「何か読んでたの? ケイコちゃん」

「カクヨムの小説。10万字でも凄いと思うのに、100万字とか尊敬を通り越して神様レベルだわ」

「ふーん、そんなもんかね」

「これは絶対また読みたくなるし、小説フォローはそのままにしとこ」

「そう言えばケイコちゃん。小説のフォロー機能ってどんな使い方してる?」

「そうだなー。読みたいと思った小説を見つけたら、後で見失うのが嫌だからすぐフォロー。あとは、何回も読み返したいと思うものは読み終わってもそのままにしてるわ」

「なるほど。俺は連載が楽しみな奴を基本フォローしてる。更新通知が来るからね。読み終わっても特段外すことはしないな」

「私はすぐ外す派よ」

「そうなのか」

「他の皆さんはどんな使い方してるんだろうね。気になるわ」

「ユーザーのフォローは一度関係を築くと動きがほとんど無いけど、小説のフォローは結構激しく動く印象だね」

「『書き手』の人はそんなイメージ持ってるんだ」

「だから、小説のフォロー数をどう解釈するかちょっと迷ったんだけど……今回は、小説のフォロー数を単純にその人が小説を読んだ、もしくは読んでいる累計数だとみなして統計を取ってみたぞ」

「はーい」

「後、けものフレンズ以外の二次創作はコミュニティー規模が小さいのでデータから除外した」

「了解ですっ」


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 統計情報:小説のフォロー数

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 1位:読み専

   36.47±58.69 (2054)

 2位:歴史・時代・伝奇

   12.03±42.27 (475)

 3位:SF

   11.61±50.21 (1142)

 4位:エッセイ・ノンフィクション

   11.25±49.2 (927)

 5位:異世界ファンタジー

   10.91±41.34 (1042)

 6位:創作論・評論

   9.85±44.91 (542)

 7位:現代ファンタジー

   9.51±45.33 (1592)

 8位:詩・童話・その他

   9.25±47.57 (1298)

 9位:ホラー

   8.83±39.82 (616)

 10位:現代ドラマ

   8.77±38.9 (1098)

 11位:ラブコメ

   8.21±34.92 (689)

 12位:ミステリー

   7.83±32.99 (422)

 13位:恋愛

   7.82±38.9 (867)

 14位:二次創作けものフレンズ

   6.33±25.15 (371)

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 ※平均値±標準偏差(最大値)


「圧倒的『読み専』の小説フォロー数……!」

「まぁ、これは当然だよな。2位の歴史・時代・伝奇を3倍も引き離してのダントツトップだ」

「でも……『読み専』1位は納得としても、ちょっとこのランキングって意外なんだよなー」

「例えば?」

「もうね、2位の歴史・時代・伝奇からして意外。なんでだろう?」

「勉強好きなんじゃないかな。ジャンル別『書き手』の興味でも指摘したが、歴史・時代・伝奇を書くには極めて専門的な知識が要求される。そういう人たちって、知的好奇心が強いと思うんだよ」

「なるほど。自分の専門分野に限らず、他の人たちが書いた小説にも興味を持ってるかも知れないってことか。SF、エッセイ・ノンフィクションや創作論・評論が上位に来てるのも、偶然って訳じゃなさそうね」

「そうだな。後は、資料としていつでも参照できるように小説フォローを残しているという可能性もある」

「ふむ、それも考えられるわね……」


「ミステリーが12位なのは解せない。これはどういうことかしら」

「うーん。これはラブコメにも言えると思うんだけど、自分の小説を考えるのに忙しくてヨム活動まで手が回らないんじゃないだろうか。もしくは、作品に求めるクオリティーの閾値しきいちが高くて、フォローする手が止まってしまうとか」

「確かに、ミステリーは破綻してると読む気失せるし、ラブコメも勢いがないと読む手が止まるし……。それが作品の提供側である『書き手』となると、相手に要求するものも高そうね」


「13位の恋愛はどう思う?」

「ジャンル別『書き手』の興味を調べた回で、恋愛の『書き手』は『読み専』に対するフォローバック率が低くあまりアクティブでは無いことを指摘した。ここでも、恋愛の『書き手』はあまりアクティブには活動していない様子が伺えるね」

「あぁ、思い出した。タケル君の唱える恋愛の『書き手』はシャイ説ね」

「いや、シャイって言い出したのはケイコちゃんだよ?」

「え? そうだっけ?」

「なんなら、確かめてみるといい。ほら、この研究ノートだよ――」


『第13話 111,402人って、どんなジャンルに興味があるの?(恋愛編)』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894358323/episodes/1177354054894477290



 地球滅亡――ユーザー数40万人突破のXデーまで、あと61 日!



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 今日の研究ノートまとめ

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 ・小説フォロー数の統計を調査

 ・『読み専』が堂々のトップという当然の結果に

 ・恋愛の『書き手』はあまり活動的では無いという仮説をこのデータが補強

 ・やっぱりシャイ……?

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