第2話
「は?」
今なんて言ったんだろうか。最近耳が遠くなったのかな。信者どうのこうのって言っていたような・・・
「えぇ、ラレクさん。信者になってください。」
幻聴・・・
「幻聴ではありませんよ。」
ん?なんか、心が読まれているような・・・気のせいだろう
「読んでいますよ。気のせいじゃありません。」
「な!?化け物か!読心術か!」
「んもう、神だからです。神は人の心読めるんですぅ!! そ・れ・よ・り・も! なんで!一言目が!化け物なんですか!!」
やっぱ、読心術じゃん。
「て、神様なんですか?とてもに見ませんね。」
いやぁ、だって出会い頭がこけるから始まるんだよ。ドジっ子じゃんこの人。駄がつくよ。
「ドジっ子ですみませんねぇ。これでも神様なんですぅ。慈悲深い女神なんですぅ。」
自分から大したことないって知ってますか?
俺の心を読んだのか、自称慈悲女神が憤慨している。
「これ、エリル。話が進まんぞ。彼をここに引き留めるのに時間が少ししか残っておらん。」
俺の後方から爺くさい声がした。いや、正真正銘の爺さんがいた。紅茶を飲みながら・・・。外観的には神様っぽいのだがきらびやかな机といすの紅茶セットが台無しになっていた。
「お爺さんが使うと映えないなぁ!?」
「ひどっ!?おぬしひどいのう・・・わしの趣味なのに・・・」
そういって、隅で小さくなる爺・・・。この空間に隅っこなんて存在していたのか。
さて、早く勉強に戻りたいから。用件をお願いしますよ。雑談で時間を食ったのですから。
「「誰でこうなっていると思っているのよ(んじゃ)」」
******
お爺さんと美少女に案内され、俺はいすに座った。
俺が座るのを確認すると、二人も座った。
「まずは自己紹介をしようか。わしはローレンス、まぁ一応神をやっておる。」
「私はエリルです。女神です。」
はぁ、どうも。ラレク・レイモンドです。
「「喋って!?」」
心の中で喋るのはお気に召さなかったらしい。当たり前か。
「ラレクデス。ヨウケンヲドウゾ。」
「お主、何気にわしらと話したくないようじゃな。」
勿論ですとも、厄介事が来そうなんだもん。
「わしらの信者になってくれないか。」
な・ん・で ?
「喋って・・・まぁ、いいかのう。実は最近信者離れが激しくてな。もう少しで信者が一人もいなくなるところまで来てしまったんじゃよ。わしら神はのう信者があってその信者たちの持つ力で存在を維持する方ができる。で、今世界に神は7柱あることは知っておるな。神が1人消えるだけでも世界は混沌となるのだよ。例えば、生物が全滅したり、大陸が消滅したり、厄災が大量発生したり・・・うん、等々じゃ。」
どうやら、神が消えるだけで世界が崩壊するようです。ところで、ローレンスさーん?なんで、最後の方で目をそらしたんですか。
「・・・コホン。信者になってくださ「お断りします」なぜじゃ!?信者がないと世界が壊れるんじゃぞ!?」
「だから、それがいやなんです。信者が重荷になるじゃないですか。なるだけで世界の運命を背負うじゃないですか。よくそんな説明でやってくれると思いましたね。」
俺ならそんな説明はしない。俺に利点がない話にのれるわけがない。
「兎に角、信者は他の人に頼んでください。」
いすから立ち上がる。
「・・・・・・お主、力がほしいのじゃろう。儂らならお主を強くすることができるぞ。」
背後からローレンスの言葉が聞こえた。その言葉に思わず振り返った。
「どう言うことだ。」
俺は、いすに座り直した。
「かっかっかっ、儂らの信者になるのなら教えよう。」
小癪なことしやがって・・・卑怯だ!
「どうするか。ラレク・レイモンドよ。クククッ・・・」
正直力がほしい・・・だけど、こいつらの話に乗ると厄介事がつきまとうだけだ。
あれ・・・・・・?
俺・・・母さんのために頑張っていたよな・・・・・・
なんで・・・自分の保身をしているんだ・・・・・・・・・・
母さんのためだったよな?
じゃあ、なんで?
なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?
『覚えとけよ。ラレク、人って言うものはな欲望でできているんだ。人誰もが心の底では自分を一番大切にするんだよ。そうでないやつは自分を見失ったんだ。もしそんなやつがいたら、おまえが助けるんだ。助けを求めている人がいたら、助けないといけないんだよ。お返しが来るかもしれないし、その逆かもしれない。そんな時は力ずくでぶっ飛ばせ。いいな。』
ふと、死んだ親父の言葉が頭の中に響いた。破天荒で母さんをいつも困らせていつも笑わせた。
そうだよ。厄介事が来たらぶっ飛ばせばいい。
「じゃあ、信者になってくれるのだな。」
あのぉ、ローレンスさん心読まないでくださいません。
視線の端にエリルが舞い上がっていた。あ、居たんですね。また、憤慨しだした。
「さて、(ガサゴソ・・・ザラッ)」
ローレンスは白い袋から7つの色のついた何かを並べた。
スキルの種~自称神様からもらった種で無双が実現できるのですが~ カンナヅキ(伊弉冉 夜月) @snowcherry610
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