【幕間】
“風”の独り言
難癖付けて喧嘩を吹っ掛けてみたが、あの悪霊憑きは害になる存在ではなかろうと思う。抑制も効いておったし、暴走の危険もあるまい。
しかしまあ、よくよくユーマも妙な連中を引き付けるものよ。
「ああいうのも人徳というのか」
祠の上に腰掛けてぼんやりと空など眺めていると、ユーマの宿へ向かう者や麓の村へ降りて行く者たちがこちらに向かって拝んだり一礼をしたり、子供は手を振ったりなどしていた。
軽く手を挙げて応じてやると小さな悲鳴のような歓声が上がった。
ふふん、余の人気も捨てたものではないな。
それもユーマのお蔭であるから、できる限りはしてやらんとなあ。妙な連中を引き付ける割にどこまでも脇が甘いのでな。本人にそんなつもりがないのが一番困る。
誰ぞ寄越せ、と言い置いたが誰が来るかの。
リュカかナターシャか。まあ誰でも良いが。
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