第555話 みぞおちのやや上あたりに。


「まず第一案といたしまして」


 二案はあるのか。えらいな。プレゼンっぽい。ベッドに寝転がって添い寝状態であること以外はプレゼンっぽい。


「既存の運用を踏襲しまして骸骨兵スケルトンウォリアーを動力に充てます」

「既存の運用?」

「正面玄関の自動ドアです」

「あー、はいはい」


 そうなのだ。

 自動ドアの開閉のために骸骨兵を置いているのだ。


「自動ドアの開閉とエレベーターのワイヤー巻き上げはかなり労力に差があると思うんだが」

「昇降機には頭数を割きます」

「もう試したのか?」

「はい」

「……っ!」


 頷いたアイのつむじがみぞおちのやや上にめり込んだ。


「一基あたり五体の骸骨兵を配置することで可能です」

「つまり十体か。今、居る骸骨兵だけだと足りないよな?」

「はい。新規に召喚いただきたく」

「やっぱりそうなるか」


 その場合はミラベルにお願いするしかないな。


「続いて第二案としまして」

「うん」

「魔法使いを雇用します」


 ん? 魔法使い?

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