第523話 同席
「立場がなくなる、ね。王位は結局どうするんだ? ヴィクトールが継ぐのか?」
「王が健在である今、継承の話をするのは不敬に当たるね」
「あ、そう」
ごく普通の、まともなヴィクトールの回答。
本音はどうだろうか。
まあどうでもいいが。
「で、帝国との講和はどうするつもりだ?」
「私が対応する」
「ふうん。殿下自らお出ましですか」
「帝国側はおそらく皇帝……タカスギとやらが出てくるだろうからね。話を聞いている限りでは」
全権大使とか出さなそう。
任せられないとかではなくて、面白そうだから臨席する、とか言いそうである。
「となると釣り合いが取れるのは曲がりなりにも私か弟妹たちだけだ」
「精々頑張ってくれ」
「何を言っているんだい、我が英雄」
「あ?」
「君も同席してもらうよ」
「……なんでだよ」
「帝国皇帝はどうやら我が英雄にご執心のようだからね。居てくれれば話がスムーズに進むとは思わないかい?」
知らんがな。
俺を巻き込むのはやめろ。
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