第496話 即応
「イグナイト殿下、連中の散兵戦術に対処します。正面は塹壕線で受けきれるので両翼の迂回機動している部隊を潰しましょう」
「……どうやってだ?」
事も無げに言う俺に、イグナイトは不審な表情。まあ、気持ちはよくわかる。
「まずは俺が右翼を潰してきます。左翼はとりあえずノヴァに対応させておきましょう。一旦押し返すくらいは楽にできるでしょうから」
「赤の勇者はともかくとして、貴様も出るのか?」
「……気は進みませんが」
溜息を吐きつつ、俺は右手を虚空へと捻じ込んだ。
指先に触れる骨刀の慣れた感触を掴み、引き抜く。
「まさか、その小刀で帝国軍とやり合うつもりか」
「そのまさかですよ」
とはいえ、
「帝国軍全てを相手取るわけではありませんので」
「意図が分からんまま送り出すわけにはいかん。説明しろ」
真面目な男である。
現場の些末事など現場に任せておけばいいのに。まあ、些末事だと思ってないのかもしれんが。
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