第449話 面白くない!

 さてさて、久方ぶりにユーマの身体の主導権を得てみたものの、体よく利用されておるよな儂。


「まあ、やってやらんでもないがの」


 ユーマの考えは聞かずともわかる。

 の人手が足りとらん分を死人の手で埋めようと言うのじゃろう。


「百か二百か。もういっそ千くらい召喚してしまうか。面倒くさいしの」


 儂が魔法陣を展開すると見物していた野次馬たちが蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。こやつらたしか兵士ではなかったかの。こんな及び腰で敵に勝て――まあ、勝てぬからユーマが苦慮しておるんじゃったか。


「単純な作業をやらせるだけならそう凝らんでもよいよな」


 誰に確認するでもなく呟きつつ儂は魔法陣を少々修正。少し書き足し、大きく削除する。


「ま、こんなもんじゃろ」


 儂が魔力を込めてやると魔法陣が黒く光を放ちはじめ、その後、労働力――いつもの骸骨兵スケルトンウォリアーじゃな――が湧いて出てきた。


 千体も召喚するのは少々骨が折れたのう。


(骸骨なだけに?)


 ユーマは黙っとれ。

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