第438話 修練場に場違いな人々
王宮内の修練場。普段は騎士やその見習いが使うそこには今、宿屋とご婦人そして第一王位継承権者がいた。
俺とご婦人――バネッサが向かい合うようにして立ち、その間にヴィクトールが審判役として立っている。
「バネッサは遠慮なく全力で彼に攻撃を。殺さなければそれでいい」
無茶苦茶言いやがる。
「我が英雄はくれぐれもやり過ぎないように。ようやく見つけた魔剣の使い手なのだから」
俺はどうなってもいいのか、と抗議するより先に、
「君は少々のことでは死んだりしないだろう」
と笑われた。
確かに見た目の印象だけならバネッサは大した脅威にはならなそうである。
(そういうのを油断という)
俺の裡で「ヤツ」が嗤った。
そうは言うが、バネッサが同じ魔剣使いのノヴァより強いとは思えない。
(
それを言われると返す言葉も無い。
実際俺はただの
(ま、やってみればわかることもあるじゃろ。死ぬなよ)
次の瞬間、バネッサの気配が変わった――
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