第439話 魔剣使いの戦力評価
バネッサの周囲に水の塊が幾つも発生していた。
それらはふわふわと宙に浮いていて――
(ユーマよ、横へ跳べ!)
殴りつけるような勢いの「ヤツ」の言葉に気圧され、俺は考えるより先に横っ飛びしていた。ゴロゴロと修練場の地面を転がる。体勢を立て直し、視線をさっきまで立っていた場所に向けると、
「おいおい……」
槍のように伸びた水が幾つも地面を穿っていた。
躱してなければ即死だったんじゃなかろうか。手加減無しだな、本当に。
「……」
バネッサの目が俺を見た。
「くそっ」
地面に刺さっていた水の槍が動き出す。
俺は全力で回避行動。今度も間一髪で攻撃から逃れることができた。
逃げ回る俺に対してバネッサは最初に立っていた位置から一歩たりとも動いていない。魔剣すら抜いていないのだ。
(大した才能じゃな。魔剣に愛されておるわ)
……ノヴァとどっちが強い?
(さてな。用兵次第で評価も変わるじゃろ。儂は詳しくないからわからん)
バネッサの戦力評価は終わったようなものだが、攻撃は止まらず、ヴィクトールには制止する気配もない。
これはつまり、自分でなんとかしろ、ってことか。
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