第432話 戦争と平和の件
戦争は金と人命を無尽蔵に食い散らかす。であるのに微塵も生産性がない。ゴミにも劣る行為だ。
戦争で儲かるのは武器商くらいのものだろう。
戦争当事者であるこの国が戦争で儲けるのは不可能だ。それどころか戦争が長引けば国力は疲弊しきってしまうだろう。
だから別の手段で稼ぐのだ。
「帝国との戦争はもうしょうがない。やるしかないなら準備を進めようじゃないか」
だが、
「南方諸国とまで喧嘩する必要はないよな?」
うちの宿屋の備品を異世界の技術で再現した商材があれば乗ってくる相手もいるだろう。
「戦争が始まるまでの間に、加盟店をかき集める」
「……我が英雄よ」
「異論があるのか?」
「いや全く。君の言う通り金は必要だ。そうではなくて」
ヴィクトールにしては歯切れが悪い。
「気になっていることがあるなら言えよ」
「ああ、うん。随分と楽しそうだな、と思ってね」
……そりゃ楽しいさ。俺は宿屋の主人で、平和主義者だからな。戦争よりビジネスの話の方が楽しいに決まってる。
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