第431話 金儲けの話

「成程。えふしーという契約関係については概ね理解できたよ、我が英雄」


 俺のざっくりした説明にヴィクトールは何度も頷いた。そしてキラリと鋭い視線を寄越す。


「我が英雄は王都に加盟店を増やしたいのかい?」


 戦争が近いこの時期に、と表情が言外に語っていた。


「加盟店を増やしたいのは間違いじゃあないが、王都で大量に、ってわけじゃない」


 王都には加盟店は一店舗あれば十分だ。


「ほう?」


 ヴィクトールは器用に片方の眉を跳ね上げさせた。


「王国内の資産を集積しても意味はないだろ。稼ぐなら他からだ」


 一息。


「南の小国の宿屋に片っ端から営業をかけていく。外貨を稼ぐぞ」







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