第427話 コイル発条

「なにをつくればいい?」

「コイル発条ばね

「こい……?」

「コイル発条だ。線状の鋼材を螺旋状に等間隔で巻き付けて作る」

「わかんねーよ」


 俺も口頭で説明するのははじめてだな。自分でも伝わらないな、と思いながら喋っていたので、そこらに落ちていた棒切れで地面に図を描いて示した。我ながら絵心がないな。


「こういうやつだ。できるか?」

「たぶん」

「よし」

「どれくらいつくればいいんだ?」

「たくさんだな」

「たくさんって……」

「具体的に言えば1,000個くらい」

「なんにつかうんだ?」


 怪訝な表情を浮かべる少年に俺は笑みで応じた。


「ま、できてからのお楽しみだ」

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