第410話 雨雲は人を憂鬱にさせる
ウェントリアスは俺を祠の裏のちょっとこんもりした丘みたいなところに連れて行った。ここは彼女のお気に入りの場所のひとつだ。適当な岩に腰掛け、横をぺしぺしと叩く。座れということらしい。
腰を下ろした俺の頬を、ウェントリアスは無遠慮にぐいぐい突いてくる。
「ユーマがそういう顔をしとるのはいかんぞ。即刻改めよ」
「む」
「
「そうだよな」
「うむ。わかればよい」
にっ、と笑ったウェントリアスは、すぐに表情を引き締めた。
「特別に余が助言を与えてやろう。ほれ、さっさとその辛気臭い
……助言、ね。
ひとりで悩んでいても行き詰まるだけ、か。全く異なる視点からの意見が得られるならそれもいいかもしれない。そう思って俺はぽつりぽつりと話しはじめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます