第359話 弟殿下の考えを改めさせる、のは本来家臣の仕事では?
「できないというのは、どういった理由からです?」
大体の見当は付くものの、これは確認しておくべきことだ。
そう考えて尋ねると、イグナイトは至極当然といった態度で答えた。
「魔剣の使い手は勇者の称号を受ける栄に浴するのだぞ。誰彼構わずというわけにはいかない」
「だから貴族だけ?」
「そうだ」
予想通りの回答。
あー、仕方ない。言うか。言わないわけにはイカンしな。
「そんなことだから帝国にいいようにやられるんですよ」
「っ……! 貴様!」
顔真っ赤。実際いいように負けてるからな。
「イグナイト殿下のその貴族優先主義、お辞めになる頃合いじゃないですか。さもないと、国が滅びますよ」
前回の奇襲で王都陥落しててもおかしくないんだよ。それくらいヤバかったのはイグナイトも理解しているはず。
「――魔剣の使い手が居れば滅びないというのか!?」
イグナイトのこういう切り替えの早さを見ると、ヴィクトールと血が繋がってるんだな、と思う。俺は血縁による世襲はあまり賛成できないが優秀な血統であればその限りではない。
「まあ、現状よりはマシに戦える、ってくらいの話ですがね」
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