第358話 使い手の探し方、の是正
「無理、って聞こえましたよ。イグナイト殿下?」
「無理だ」
繰り返したな。
大事なことなので二回仰いましたか。
今度はより強い、はっきりした語調で。
「我が国の全ての騎士は魔剣の審査を既に受けている。結果、誰ひとり選ばれはしなかった――」
あ、やっぱりそういうことか。
「違うんですよ、殿下」
「違う?」
「その審査とやらを王国の全員を対象に行ってはいないでしょう」
「全員、だと……?」
ハテナ顔のイグナイトに俺はもう少しだけ分かりやすく伝えてやる。
「騎士だけじゃないんですよ。兵士でも、商人でも、職人でも、歳寄りでも子供でも、男も女も関係ない。シュトルムガルド王国に住む全ての者から使い手を見つけ出してください。一刻も早く、ね」
「……なっ」
絶句したイグナイトは直後、
「そんなことできるわけないだろうが!」
と吠えたのだった。
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