第308話 案件アディショナル


「エリザ様! 何故なのです!?」


 問いただそうとする赤の勇者を、俺は手で制した。

 邪魔をするな。

 五月蠅うるさい。


「もうちょっと黙ってろ、ノヴァ。話はまだ終わっていないんだ」

「まだ……?」


 ノヴァに事前に説明してあったのもここまでだ。

 まだ、続きがある。


「もう一件、大問題が残ってるだろうが」

「……もう一件?」

「……なんだ?」

「……」


 ノヴァ、イグナイトはハテナ顔だった。

 エリザヴェートは冷ややかな無言。


「……まさか」


 俺の意図に気付いたのはヴィクトールだった。

 冒頭の言葉最初に言ったことを覚えていたのかもしれない。




「そう。王の弑逆しいぎゃくを試みたのも、エリザヴェート殿下だと俺はここに断言する」

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