第133話 闘技場と人材登用とド忘れ

 俺は就職面接を行い、アイは冒険者を返り討ちにする日々がしばらく続いた。


 対冒険者用に整地したはずの空き地は、いつの間にかすり鉢状に掘られ円形闘技場になっていた。アイが指示して骸骨兵にやらせたんだろうが、そのうち客席が作られたりしないか心配だ。


 俺の方は農家の三男坊やら商家の娘やら素性の明らかな者から、戦争孤児、チンピラ、山賊くずれといったそうでない者までとにかく面接をしまくった。素性経歴に関わらず見込みのありそうなのを採用した。


 採用したのは馬車の御者として三名、フロント担当として七名。

 これで休日をどうにか回せるシフトが組めるようになるはずだ。


「あ」


 しまった。


「どうかなさいましたか、ユーマ様」

「パン焼き担当を雇ってなかった」

「ノヴァさんが嬉々としてなさっているのでよろしいのでは?」

「いや、ノヴァにも休日はいるだろ」

「左様ですか」


 アイにも休みを取らせたいんだが、きっと「不要です」とか言うんだろうなあ。

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