第128話 渋滞する馬車の荷台
クラリッサに付けていた監視兼護衛の骸骨兵二体が破壊されてた翌々日の朝、クラリッサがやってきた。ロバに砂糖を積んで。
リュカの馬車(馬ではない)に満載の果物を乗せてメアリも同時にやってきた。
「うっへぇ、なんだよこの塔。どうなってんだよこりゃぁ」
「麓から見るより一段とでっかいねェ」
「ようこそお二人ともお待ちしてました」
「あ、オッサン」
「依頼の品ァ納品にきたよォ」
全身をフード付きコートで隠した骸骨兵が果物を物凄い勢いで降ろしていく。
別の骸骨兵が馬車の清掃をする。
その後、チェックアウトをしたお客様を乗せて、リュカが馬車(馬ではない)を出した。
「行ってくるデス!」
「気を付けてな」
「はいデスヨ!」
舗装されたつづら折りの坂道を下りて行く馬車を見送っていると、メアリに肩をバンバン叩かれた。痛い痛い。
「盛況だァ。やるもんだねェ、あんたァ」
「どうも」
賛辞は素直に受けておこう。
「すげえなオッサン。世間知らずのボンボンだと思ってたわアタシは!」
「オッサン呼びはほんとにやめてくれ、クラリッサ」
失礼なヤツだ。
だが、まあいい。ようやく砂糖と果物が揃った。
これでジャムが作れる。
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