第八章

第127話 ひとでなしと死霊術師の魂の在り処

(ユーマよ、商人の娘の監視――いや、護衛に骸骨兵が壊された)


「ヤツ」が俺の裡で知らせてきた。

 どういうことだ。


(買い付けた砂糖か金を狙われたんじゃろうよ)

「クラリッサは無事か?」

(大事無い。骸骨兵が時間を稼いどる間に逃げおおせたわ)


 それならいいが。


(優しいのう、ユーマは)

「俺は砂糖が心配なだけだ」

(そうよな。ユーマはそうでなければいかん。善人面の悪辣非道。目的の為には手段を選ばぬ人非人ひとでなし。それでこそ儂の魂の足りうる。召喚よんだ甲斐もあろうというものじゃ)

「黙れ」

(くっくっく)


 笑うな。

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