第8話 朝、全裸の少女、死霊術師、そして大量の、骨
目覚まし時計が鳴る。
何か、物凄く変な夢を見てた気がする……。
仮眠室の中は暗い。窓が無いからだ。
時計を見ると、時刻は5時。
早い。早すぎる。当直の時の設定のままだ。
俺は二度寝し――
「んん?」
――なんか
「げっ」
アイがベッドの中に潜り込んでいた。くっつくようにして眠っている。それも全裸で。また全裸。裸族なのか。アイの寝顔は可愛らしかった。長い睫毛。薄い唇。微かな呼吸。可愛いんだが、そこはかとなくエロい。落ち着け俺。相手は
「……どうしたもんかな」
(煮るなり焼くなり抱くなり好きにしたらいいじゃろ。ソレはユーマの所有物じゃからして)
「ほんっとにお前は黙っとけ。頼むから」
とかブツクサ言っているとアイが目を醒ましていた。
横になったまま、じーっとこちらを見ている。超見てる。
「おはようございます、ユーマ様。起きているのに寝言ですか。頭大丈夫ですか?」
「なんでもない大丈夫だ。おはよう、アイ。あと言い方」
「はい。ユーマ様、改めましておはようございます」
「あのなあアイ、なんで全裸なんだ? それ以前に、なんで俺のベッドで寝てる?」
「はい、ユーマ様。昨夜、ユーマ様はこのように仰いました。『部屋は沢山あるから好きな所で寝ろ』『服は皺になるから着替えて布団に入れ』と。何か問題がございましたでしょうか」
うん、俺の言い方が悪かった。
アイは融通が利かない、ということはよくわかった。
次からはベッドも指定してやろうと決意した。
「アイ、服を着ろ。今日の仕事をはじめるぞ」
「はい、承知しました。ユーマ様」
なんか体がダルい。とはいえ俺も起きなければ。スーツに着替えて顔を洗って髪を撫でつけてカミソリで髭を剃って身支度を整えた。
そして事務所を抜けてフロントに出た俺が目にしたのは、
「なんじゃこりゃあ!?」
ロビーにズラリと並んだ人型の骸骨の集団だった。
ざっと見た所、およそ百体くらい。
(フッフッフ)
頭の中で「ヤツ」が笑う。
やっぱりお前の仕業かこら!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます