【番外編】智の恋 完

「お前…俺を知った気になるな」

あぁぁ、また調子に乗ってしまった!!


「でも、ありがとう」

へ?


「下、行くぞ」


「え?」


「早く部屋出ろ」


「は、はい!」

怒られたと思ったけど、感謝されて…認めてもらえるかと思ったけど、部屋を追い出されて…。え、待って。わかんない、わかんない!!




あ。皆さん…心配そうにしてる。美咲さん…すみません。たぶん認めてはもらえなかったみたいで…


「美咲」

たく兄さんが美咲さんを呼んだ。


「なに?」


「こんなやつ、ずっと俺の部屋に置いておくな」

わぁぁ、すみません!!!


「ちょっと、たく兄。こんなやつって…!」

すみません、美咲さん! たぶんじゃなくて、認めてもらえなかったです!!


「早くデート行けよ」


「え?」

へ?


「あー、もう。ちゃんと言わなきゃわかんねぇのかよ」


「たく兄、それって…」


「認めてやる。そいつ、うるせぇから」

え。認めて…認めてくれるんですか! ん? うるせぇから?


「ほんと!? ありがとう、たく兄!!」


「おぅ」


「あらぁ、美咲よかったわぁ!」

お母様が美咲さんを抱きしめている。俺も抱きしめたい!! …じゃなくて。


「お兄さん、ありがとうございます!!」

たく兄さんに認めてもらえた…嬉しい…。


「お前の“お兄さん”ではない」

あ…。


「すみません」

せっかく認めてもらえたのに、やってしまった。


「拓海」


「へ?」


「拓海…さん、って呼べ」

うわぁ、たく兄さん!!!


「はい、拓海さん! これからもよろしくお願いします!」


「うふふ、何があったか知らないけど、よかったわぁ〜」

お母様、おれもよくわかりません!!


「智くん、俺のことは海斗ーとか、なんて呼んでもいいよ〜」


「じゃあ、海斗さんで…。皆さん、これからよろしくお願いします!!」


美咲さんとの幸せをもっともっと大切にできるようになった1日でした。


*ちなみにデートは中止して、家族の皆さん(出張のお父様、部屋に戻った拓海さん除く)とたくさんお話しました☆


“番外編 智の恋”

fin.

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恋がしたい君と気づいてもらえない僕 オリオン @orion-ringo

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