(5話)グランゼドーラ城下町での出来事

闇桜

第5話

グローリアから聞かされたキャロラは殺気を異常なほど出す。過去に何があったのか。


「貴方…がユリハ殺したのかしら?」

「そうだ」

「なんで…」

「ユリハがウザかったのさ存在自体が…!」

「…っ…ユリハは私の…」

「お前の唯一の友人だと言いたいんだろう?分かってるからさ?」

「えぇ、そうよ…でも…貴方とここで出会うなんて…その上、私はこの事を知られたくなかったんだけど…」

「…ざまーねぇなあ」

「貴様…!」


キャロラは杖を前に出し下に魔法陣を描く。


「おっと、私は戦う気はないんだ」

「私は貴方を殺さないと気が済まないのよ」

「…」


グローリアは やれやれという表情しつつ、大剣を構える


「…勝負したくないなぁ…自分は」

「…ユリハの恨みよ」

「…はぁ…ユリハはお前の唯一の友人だったものな。」

「ええ、そうよ」


2人は話しながら技を仕掛ける。

「双刀勇義」


グローリアはそういうと一瞬で目の前に来て大剣を分身させキャロラに素早く斬り掛かる。


「防御術式」


目の前に黄色の術式を展開する


「ちっ…術式か…」


そう言ってグローリアは後ろに下がる。


「甘く見ないでちょうだい」

「甘く見てないね私は」

「流石、レオの師匠ではあるわね…」

「レオも後々、殺すつもりだったがやめたんだ。感謝しろ」

「レオは殺させないわよ」

「そうかそうか」


その頃、ローズ達


「私はキャロラ様を見届けるので皆さん避難して下さい。」

「俺も残る…」

「ミトスさんは皆を守ってあげてください。貴方は強いですから。」

「だが…」

「ミトスさん…行こう?邪魔になっちゃう」

「…あぁ…」

「ローズさん…気を付けてくださいね」

「えぇ、パチェ様もお気をつけて。後、避難場所が分からなければ、レオが隠れ家で居ますので」

「分かりました。場所は…」

「…リンクル地方ですね」

「あそこですか…分かりました」


そう言ってパチェ達は走っていた。


「…」

ローズはただひたすら2人の勝負を見つめていた。


「煙術式・高」


灰色の魔法陣を発動させ、煙を出す


「双騎龍山」


煙を消すかなように大剣を横に振り回す


「流石…ねぇ…」


キャロラはそう言って武器を直す


「…降参する気か?」

「…降参する気はないわ、だけど…大切な娘が居るんでね」


そう言うとキャロラはローズの方を一瞬見る

「娘…か。キャロラは結婚していたんだな」

「…そうねぇ」

「キャロラ様…?」

「ごめんなさいね、大丈夫よ」

「…?」


ローズは心配そうに見る。


「それより…グローリア、貴方とはもう会わないと信じておくわ。」

「あぁ、私も会わないと信じておこう」

「じゃあ…」


そして、キャロラは背を向け去る。

だけど、ローズは最後まで警戒をする。気を抜いた瞬間狙われる可能性あるからだ

「…」

「ローズ、大丈夫よ、グローリアはそんな事しないわよ」

「それでも…」

「ローズはもう無理しなくていいのよ。」

「…?それは…どういうことですか?」

「…なんでもないわ気にしないでちょうだい」

「…分かりました…」


2人はパチェ達を追いかけるように走っていった。


「キャロラさん達…大丈夫でしょうか…」


ルナは心配してるようだ。


「キャロラさん達なら大丈夫だよ?ルナ」

「フェアリー…ええ、そうね…」

「皆さん、着きましたよ」


皆、隠れ家見てて驚いた。それは…あまりにも美しかったから。

すると屋敷の扉が開き、出てくる


「レオさん…」

「パチェ様ご無事で何よりですよ」

「レオさん、とりあえず、屋敷上がらせていただいてもよろしいです?」

「キャロラ様からは先程、連絡貰いましたので大丈夫ですよ。後からこちらに来ると申してましたから」

「無事なのですね…!」


パチェ達は安心をしてる。

「とりあえず、見つかるとあれなのでどうぞ…」


上がらせてもらうパチェ達。

レオに客室へ案内されそれぞれソファに座る。

何故か、パチェはレオの隣に座っていた。


「リーフ、紅茶のご用意を」

「畏まりました。レオ様」



そして、紅茶用意してる間。


「何があったと聞きたいですがグランゼドーラが襲われたそうですね。」

「え…ぇ…。」

「…貴方達には話しておきます。パチェ様はご存知なのですが…」


少々、間をおいて


「ローズは俺の実の妹なんですよ」


そういうとパチェ以外は驚いた


「ローズが…貴方の妹ってことか…?確か、記憶がないと話してたはずだが…?」

「…記憶を封印してるんですよ。最近は薄れてきてるようですけどね」

「…そうか…」

「でも、これはローズには内緒にしてもらえると有難い。これがローズを苦しめない方法だと信じたいから」

「…」

「お待たせしました。紅茶でごさいます」


リーフは紅茶を器用に持ってきた。


「あぁ、ありがとうな。リーフ」

「いえ、レオ様のお申し付けですから」

「…」


そこから沈黙が始まる


「とりあえず、キャロラ様とローズが帰ってきたら決めましょうか」

「えぇ、そうしましょう。」


そしてそこから暫く待つと扉が開く音が聞こえこの靴の音はローズ達だと分かった。


「疲れたわ…」

「キャロラ様お疲れ様です」

「ローズも先に帰ってくれたら良かったのに…」

「私はキャロラ様のメイドですから主様の傍に居るのが当たり前ですから」

「ローズ…」

戻ってきて客室間にキャロラ達が入ってくる。

そしてそんな会話してるとレオが話題を変える


「今後、どうする予定なのですか?」

「そうね…とりあえず…グランゼドーラの復興かしらね」

「…そうですか」

「とりあえず、なにか決まり次第、また集めるから暫く…ミトスもパチェもここで泊まってちょうだい」

「…同居人に連絡してくる」

「えぇ、分かったわ」

「…分かりました。キャロラさん」


そう言ってそれぞれの事をしに部屋へ戻る。だが、ローズは客室間で立っている。


「…(私は…この記憶を思い出したい…なのに…思い出そうとしたらぼやけて…)」


ローズは悲しそうな表情しつつぼーっとしてる


「ローズ、どうしたんだ?」


レオはそれに気付いて声をかける


「いえ、何でもないです…」


何も無いよといつもの表情に戻す


「そうか…。無理するなよ?」

「分かってます。」


レオはチラッとローズの方をみたが何も言わず戻る


「(…仕事に戻らなくちゃ…)」


ローズは仕事に戻っていく。

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(5話)グランゼドーラ城下町での出来事 闇桜 @yamirose0705

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