詩編:紙片に奇縁と私怨の息

高橋ハク

熱い涙は頬を落ち そして手のひらに冷ゆるだろう

緩く放った言葉の礫は 落ちて誰かを殺すだろう

感情は嘘 幻なのだ

暗い水底の様な 汚泥の中の様な道も

ただのアスファルト

心は感情というまやかしの 麻薬のような愉しさに揺れて

そしてささくれだった剥片のごとく

崩れ毀れていく

朝の光に手を伸ばすとき とっておきのプリンを口に運ぶとき

誰かを踏み越えて勝利を掴んだ時

心震え湧きたち 我らは生の喜びを感じうるのだ


もしも私のこころが 感情を欲しないのなら

きっとわたしから うそはなくなるのでしょう

もしも私のこころが 嘘偽りのないものなら

きっとわたしから 感情はなくなるのでしょう


喜びが悲しみが怒りが楽しみが 愛が

きっとわたしたちなのだから


そして今日も生きる私にうそをつき

線路際の柵を越える

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詩編:紙片に奇縁と私怨の息 高橋ハク @Haku7143

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